<レスリング>2021年東京オリンピック/男子グレコローマン77kg級展望(8月2・3日実施)

 

《エントリー選手》

《第1シード》タマス・ロエリンツ(ハンガリー) / 《第2シード》アレクサンドロス・ミチェル・ケッシディス(スウェーデン=元ギリシャ) / 《第3シード》カラペト・チャリャン(アルメニア) / 《第4シード》モハマダリ・アブドルハミド・ゲラエイ(イラン)


 

4度目のオリンピックにかけるタマス・ロエリンツ(ハンガリー)。敵はロシアか、スウェーデン(右)か

 昨年の世界チャンピオンで第1シードのタマス・ロエリンツ(ハンガリー)は4度目のオリンピック出場。2008年8位、2012年2位、2016年16位(以上、66kg級)の成績で、4度目の正直はどうか。世界選手権は2017年2位(75kg級)、2018年2位、2019年優勝(以上77kg級)と、階級を上げ、ベテランの域に入ってから好成績を挙げている。

 今年4月の欧州選手権で優勝したあと、6月の「ベービ・エムレ&ハミト・カプラン国際大会」(トルコ)ではカザフスタン選手(オリンピック代表とは別)に敗れて3位。立て直せるか。

 対抗は、ノーシードだが、熾烈な国内の争いを勝ち抜いた2018年世界選手権優勝のアレクサンダー・チェヒルキン(ロシア)だろう。2019年欧州大会優勝など国際舞台での実績は十分。「ベービ・エムレ&ハミト・カプラン国際大会」は負傷で途中棄権したものの、その後のロシアの最終合宿でライバルを退けて代表に選ばれたことからして、大きなけがではないはず。過酷だった国内の闘いを勝ち抜いてのマットで、栄冠をつかめるか。

 2019年世界選手権2位で第2シードのアレクサンドロス・ミチェル・ケッシディス(スウェーデン=元ギリシャ)は、コロナ禍後は82kg級で大会出場を続けている。上の階級での実戦経験が生かされるか。

 2019年世界選手権3位のジャルガスバイ・ベルディムラトフ(ウズベキスタン)も82kg級で実戦をこなしている選手。今年4月のアジア選手権と6月の「ピトラシンスキ国際大会」で連続優勝と強さを見せている。同じ2019年世界3位のモハマダリ・アブドルハミド・ゲラエイ(イラン)は2018年アジア大会の覇者。弟(モハマド・レザ・アブドルハム・ガラエイ)も67kg級で出場を決め、兄弟の相乗効果で上位を目指す。

 2019世界選手権5位で第3シードのカラペト・チャリャン(アルメニア)、2018年アジア大会2位でアジア予選を1位で勝ち抜いたアクジョル・マフムドフ(キルギス)、同2位の屋比久翔平らが、どんな闘いを展開するか。


屋比久翔平と主な強豪選手の対戦成績

Lorinc, Tamas(ハンガリー)

2017年 ハンガリー・グランプリ ● Tフォール、5:50=1-10 ○ Lorinc, Tamas

Chekhirkin,  Alexander(ロシア)

2017年 ピトラシンスキ国際大会 ● 0-7 ○ Chekhirkin,  Alexander

Kessidis, Alexandros Michel(スウェーデン)

2018年 世界選手権 ● 4-7 ○ Kessidis, Alexandros Michel

Geraei, Mohammadali Abdolhamid(イラン)

2018年 アジア大会 ● 1-8 ○ Geraei, Mohammadali Abdolhamid

2018年 アジア選手権 ● Tフォール、4:23=0-8 ○ Geraei, Mohammadali Abdolhamid

Chalyan, Karapet(アルメニア)

2019年 世界選手権 ● 2-4 ○ Chalyan, Karapet

Makhmudov, Akzhol(キルギス)

2021年 東京オリンピック・アジア予選 ● 3-7 ○ Makhmudov, Akzhol

Dilmukhamedov, Ashkat (カザフスタン)

2018年 アジア大会 ○ 3-3 ● Dilmukhamedov, Ashkat 

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