ドミニカのエース! 稲葉ジャパンが巨人・メルセデスを〝異常警戒〟

日本代表に立ちふさがる?

果たして攻略なるか――。東京五輪で金メダルを狙う稲葉篤紀監督(48)率いる侍ジャパンが、開幕戦(28日、福島)で対戦するドミニカ共和国代表の巨人左腕C・C・メルセデス投手(27)を〝異常警戒〟している。今季5勝1敗と安定した成績を残している左腕が、日本の金メダルに立ちふさがることになるのか…。

仙台市内で19日から始まる代表合宿(一般非公開)を前に侍ジャパン関係者は「初戦ドミニカ(共和国)の先発は巨人のメルセデスになるだろう」と覚悟していた。

悲願の金メダルへ好スタートを切りたい日本代表にとって初戦でつまずくわけにはいかない。一方、ドミニカ共和国は6月の五輪最終予選で最後の1枠をもぎとり、勢いに乗っている。メジャー選手抜きの同国代表は打撃陣では元巨人のフランシスコらがメンバー入り。メルセデス、エンジェル・サンチェス投手(31)と巨人の2投手が加わった投手陣の分析も始まっている。

普通に考えれば日本の打者と初対戦の投手の方が攻略は難しそうだが、「開幕戦は12時開始のデーゲームと条件は良くない。湿気の多い日本の気候とマウンドに慣れているメルセデスがエース格」(前出の関係者)だという。

コロナ禍の影響で来日が遅れた左腕は6月に一軍に昇格すると6戦で防御率2・31、5勝1敗の成績。すでに首脳陣も左腕との対戦を想定し対策を練っているという。そのうえで「今年のメルセデスは昨年の左ヒジクリーニング手術の影響もあって、球速が昨季より5キロはアップし150キロ出ている。何よりも右打者への内角直球がナチュラルにスライドしていて、なかなか芯で捉えられない」(同)と苦戦が予想されるという。

侍スタッフには巨人・村田善則ブルペンコーチがバッテリーコーチとして入閣。日本5年目のメルセデスを普段は指導しており、知り尽くしているが「村上、山田、鈴木、柳田らジャパンの主力は同僚の坂本以外はメルセデスと対戦経験がある。ただデータがどれだけあっても、実際のボールが良かったら攻略は難しい。これまでスタミナが課題だったのが、前半戦最後の登板となった10日の阪神戦(甲子園)では8回途中128球を投げて失点はソロ1本。はっきり言って穴がない」(前出の侍関係者)

メルセデスは初の代表入りに「ホントにうれしいです。小さいころから夢に見てました」と目を輝かせると「(日本戦登板は)そこはちょっと分からないですが、もし投げるとなれば全力で行きたいです」とニヤリと笑う。

別の侍スタッフは「間違って(13日のヤクルト戦2回4失点KOの)サンチェスが初戦に来てくれないかな…」とドミニカ共和国首脳陣の〝決断〟に望みを託すが…。日本を代表する打者たちに、難敵攻略を期待するほかなさそうだ。

© 株式会社東京スポーツ新聞社