「ベンチの真ん中に座れ」球宴初出場の中日・木下拓に〝ミッション〟

ミッションをクリアできるか

球宴に初出場する中日・木下拓哉捕手(29)に〝ミッション〟が下された。

6年目にして監督推薦での出場が決まり「僕は塁に出たって仕方ないので、大きいのを狙って本塁打を打ちたい。誰が来てもフルスイングで応えたい」と捕手では球団初となる本塁打に色気を見せている。

そんな中でチーム関係者は「本塁打もいいけど、ベンチの真ん中に座れ」と仰天指令。「初出場では度胸がないとそんなことはできないし、それに指揮を執る原監督(巨人)とコーチを務める矢野監督(阪神)にちょっかいかけるぐらいのことをしてきた方がいい」という。

こんな指令が出るのも木下拓は「キムタク」ならぬ「キノタク」としてチームのムードメーカーを担っているからだ。昨季はヒーローインタビューで「幸運の拾い物」話でファンを沸かせたが、今季も7月9日のDeNA戦でキャリアハイとなる7号ソロを放った際、5月29日以来の一発に「キャリアハイの重圧に苦しんでいました。うそです。ありゃした!」と存在感を発揮した。

前出の関係者は「球宴はお祭りみたいなものだから、キノタクなら(両監督に)ちょっかいぐらいかけられるだろうし、そうすればリーグ1位と2位の監督だけに後半戦に向けて多少でも心理的に有利に立てる可能性だってある」と期待を寄せている。

さらに前半戦はチーム打率、総得点、本塁打のいずれもリーグワーストに終わった中日打線。本紙評論家でOBの宇野勝氏は「同じ捕手で球宴に出る阪神の梅野は打率が2割4分台なのに得点圏打率は4割近くもある。その勝負強さの秘訣を木下(拓)は梅野から教えてもらって参考にした方がいい」と提案する。

果たして木下拓は球宴で数々のミッションをクリアできるか。

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