妊婦のワクチン接種を2度断る 沖縄・西原町「不測の事態に対応できない」

 6月中旬、沖縄県西原町内の新型コロナウイルスのワクチン接種会場で、妊婦の接種を断っていたことが15日、町への取材で分かった。

 町によると、町内の障がい者施設で働く妊婦が、町保健センターで行われるエッセンシャルワーカー向けの集団接種会場で接種を希望したところ、町は不測の事態が起きた場合に対応できないとして、妊婦に通院する産科の医師に相談することを勧めた上で断ったという。妊婦から再度、接種を希望する相談が寄せられたが、町外在住だったこともあり「住んでいる自治体に相談してほしい」と再び断ったという。

 日本産婦人科学会と日本産婦人科医会、日本産婦人科感染症学会は6月、新型コロナワクチン接種に関する見解で、ワクチンは「妊婦さんとおなかの赤ちゃん双方を守る」として、妊産婦は「希望すれば接種することができる」としている。その上で、健診先の医師から接種しても良いと言われれば、接種会場の問診医に伝えて接種を受けるよう呼び掛けている。

 県の糸数公医療技監は15日のメディア向けのブリーフィングで、県内自治体で妊婦が接種を受けられない事例があると説明した上で、市町村には適切な対応を求め、妊産婦には主治医に相談の上で接種の判断をするよう呼び掛けた。

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