長崎県のコロナ対策に尽力 県福祉保健部長 中田氏 厚労省復帰へ

新型コロナウイルスのクラスターが発生した客船の長崎出港を前に会見する中田部長=県庁(2020年5月29日)

 長崎県内の新型コロナウイルス感染症対策で陣頭指揮を執っている中田勝己県福祉保健部長が今月末で県への出向を終え、来月から厚生労働省に復帰する見通しであることが、15日分かった。
 中田氏は北海道出身。医師免許を持つ医系技官で、2018年10月に同省から本県に出向。当初は福祉保健部政策監で、19年4月に同部長に就任した。
 昨年3月からは県新型コロナウイルス感染症対策調整本部長として、長崎大の専門家らとともに医療提供体制の確保に尽力した。
 同4月には長崎港に停泊中のクルーズ船で乗組員の感染が発覚。約150人の大規模クラスター(感染者集団)に発展したが、同大や同省クラスター対策班などと連携し医療支援や感染対策に取り組み、連日の記者会見では県民への情報提供に努めた。クルーズ船は1人の死者も出さず、同5月末に出港した。
 中田氏の後任は同省から派遣されるとみられる。

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