新潟県福祉保健部松本部長が新型コロナワクチン供給に関して「9月末には全県民分が供給される見込み」

説明を行う新潟県福祉保健部の松本晴樹部長

新潟県福祉保健部の松本晴樹部長は16日、県内のワクチンの接種状況や今後の見通しについて説明を行った。

それによると、県内では高齢者にワクチンが行き届き、ここから基礎疾患がある人や60歳から64歳の人を対象に接種を拡大していく状況にある。盆明けに接種率を再び拡大することで、8月末には人口比で5割を超えるほどのワクチン接種率となると想定している。それに伴い、今後、重症・中等症患者の割合も減っていくことで医療負荷が軽減されるため、警報の基準の引き上げが期待されるという。

なお、現段階で高齢者の約83%が1回目の接種を終え、7月末には約80%の高齢者が2回目の接種を終える想定であり、7月中に高齢者への接種を完了させる目標が達成できる見込みとなった。

県の資料より

また9月末には全県民分のワクチンが供給される見通しとなっており、「接種能力に関しては、今後調整をしていく中で、スピード感を持って県民に接種できるような状況を作っていけるのではないかと考えている」(松本部長)とした。

一方で、国からのファイザー製ワクチンの供給が減少していることから、新潟県内では8月中に在庫不足に陥ると予測されているが、モデルナ製ワクチンを利用する大規模接種や職域接種を拡張することで不足分を補い調整していくそうだ(上の図を参照)。

その大規模接種で、県は新たに新潟空港(新潟市東区)を大規模接種会場として開設。運営はNKS新潟航空サービス株式会社が行う企業協力型で、対象者は新潟市民となる。新潟市民のみが対象となる理由は、6月に供給されたワクチンを他の市町村に供給することで県全体の接種率の加速を後押ししていたため、現在供給されるワクチンを新潟市に提供することで「県全体の公平性を保ちたい」としている。

加えて、大規模接種の朱鷺メッセ会場では新潟市の高齢者接種の遅れを取り返すため同市民のみを対象としていたが、全市町村に接種枠を提供することで県全体で大規模接種を加速させる方針を示した。

なお、今後は新潟市以外の下越地方内にさらに大規模会場を設置する予定である。

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