【MLB】大谷翔平ファンは最後まで試合見るべし 際立つ土壇場の勝負強さ、9回OPS1.353

9回に中前タイムリーを放ったエンゼルス・大谷翔平【写真:AP】

今季の9回は打率.316、3本塁打、8打点と勝負強さを発揮している

■マリナーズ 6ー5 エンゼルス(日本時間17日・アナハイム)

大量ビハインドでも試合終了まで席を立ってはいけない? エンゼルスの大谷翔平投手が16日(日本時間17日)、本拠地のマリナーズ戦で弾丸2点タイムリーを放った。後半戦初戦を白星で飾ることは出来なかったが、今季最多4万880人が集まったスタジアムを大いに盛り上げた。

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MVPコールが耳をつんざく。大谷は総立ちの観客から送られる声援を力に変えた。3点ビハインドの9回2死二、三塁、右腕グレーブマンに追い込まれてからファウルで2球粘って7球目。外角スライダーを中前へ打ち返した。弾丸ライナーの2点タイムリーだ。一塁ベース上ではベンチを鼓舞するように両手を挙げる。勝負強さを見せた男の一振りに再びMVPコールが響いた。

8回無死一塁で空振り三振して4打席凡退。8回終了で4点ビハインド。スタンドにいたファンの多くが席を立っていた。だが、ここで帰路につくを立つのは真の大谷ファンではない。今季の9回の打撃成績は19打数6安打の打率.316、3本塁打、8打点。本塁打もホワイトソックス・ヘンドリクス、レッドソックス・バーンズと上位チームの守護神から放ち、驚異のOPS1.353は自身のイニング別でも2番目に高い数字を保持する。

平凡な内野ゴロでも全力疾走を欠かさない“諦めない男”だ。この日は2019年6月13日(同14日)のサイクル安打達成を記念したボブルヘッドが来場者に配布され、今季最多4万880人のファンが駆けつけていた。大歓声は「プレッシャーに感じるというよりは素直に嬉しい気持ちで打ってやろうという気持ちで打席に向かえている」と語っていたが、土壇場で勝負強さを見せつけた。最後は1点差で敗れたものの、マドン監督は「ワンダフルだった。ワンダフルだったよ。彼はああいう場面が好きなんだ。尻込みすることがない」と笑顔で称えた。

17日(同18日)は花巻東高の先輩に当たる菊池雄星投手と対決する。この日の試合前練習中に両者は左翼付近でグータッチ。約2分ほど談笑した。6月5日(同6日)の今季初対決では初回に先制16号ソロ。通算9打数4安打の打率.444、2本塁打、2打点となっている。今季2度目の花巻東バトルは、どんな結果となるのか。(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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