【マーティ&島倉りか 昭和ソングって素敵じゃん】“渋くてかっこいい”寺尾聰をビヨーンズがカバー?

懐かしのCDやレコードを手にする2人。島倉(左)が持っているのが「Reflections」だ

世界的に有名なギタリスト、マーティ・フリードマンが、平成生まれのアイドルと昭和の歌を語る連載。昭和歌謡好きで知られるBEYOOOOONDSの島倉りか(20)が今回薦めたのは、寺尾聰の大ヒット曲を収録したアルバム。マーティの反応は?

【寺尾聰論】

――島倉さん、次はどなたにしましょうか

島倉 寺尾聰さんのアルバム「Reflections」(1981年)のお話がしたいです。

マーティ 寺尾さんて、パッと曲が思いつかないです。

――では、大ヒット曲の「ルビーの指環」から。人気音楽番組「ザ・ベストテン」で12週連続1位という記録を打ち立て、売り上げ枚数は100万枚以上です

マーティ(イントロで)聴いたことあります。

島倉 かっこいいです。

マーティ このAメロ、岩崎宏美さんの「思秋期」(77年)とメロディーが同じだと思います。

島倉 私、岩崎宏美さんも大好きで、その曲、スマホに入ってます(再生)。

マーティ メロディー、同じだと思いませんか。スピードと解釈が違うだけです。

――言われてみれば「♪くもり硝子の~」という歌詞を載せられそうな…。発表は「思秋期」の方が先ですね。作曲はテレサ・テンさんの曲も書かれた三木たかしさんです

島倉「ルビーの指環」って、当時の音楽業界の“常識”を変えたそうです。当時は一般の人が聴くのに、ぜいたくな宝石のことを歌うのは良くないって、曲名に宝石を入れるのはダメだったそうです。だからあるようでなかった歌だったんです。この曲のおかげで、ルビーの指環をプレゼントするのがはやったそうです。

――ちゃんと研究してるんですね

島倉 でも曲としては「SHADOW CITY」の方が好きです。あと「HABANA EXPRESS」も。一番好きなのは「渚のカンパリ・ソーダ」です。

――順に聴いてみましょう。まずは「SHADOW――」から

マーティ イントロがスティーリー・ダンっぽいですね。(トゥトゥットゥというスキャットが続く)仮歌みたいなのが長いです。

――歌詞が始まるまで1分9秒かかりました

島倉「ザ・ベストテン」で「ルビーの指環」が1位の時に、この曲が5位、もう一曲「出航 SASURAI」という曲が6位と、3曲同時にランクインしたんですよ(81年5月21日)。

――そのころ、放送見てました。寺尾さんは打楽器を叩きながら、「『SHADOW――』はこうやって作りました」と説明してました

島倉 ヘー! そうなんですか。

――次は「HABANA――」です

マーティ すごいプログレッシブです。それに歌に入る前に難しいキメが入ってます。日本のポップスの中に、時々あるんですよ。いきなり超レベル高いキメが入る。それが僕の心をつかみます。日本では楽器をやってない人も、普通にこういうキメを受け入れて楽しんでるじゃん。それ、素晴らしいことですよ。そういうところが大好きです。向こうでは聴いてくれなくなります。

――そして島倉さんが大好きだという「渚の――」です

島倉 この曲はすごく昭和、1970年代だなと思ってます。かわいらしい曲です。

マーティ かわいいし、アイドルがカバーしてもいいと思います。もう、頭の中にアレンジ聞こえてます(笑い)。メロディーが強くて覚えやすく、キメもいっぱい入ってます。途中から50年代の定番モチーフになりますね。ハッピーなメロディーです。もうカバー曲のイメージ、完成しました(笑い)。

島倉 もうですか!?

――その曲はビヨーンズで歌ってもらいましょう! 改めて寺尾さんはいかがでしたか

島倉 寺尾さんって、大人の色気があって、渋くてかっこいいと思います。耳に残るセクシーな声も好きです。

マーティ クールだよね 僕の好みではないけど、曲を聴くと才能を感じます。A級です。クオリティーが高いから、売れたのわかります。

☆マーティ・フリードマン 米国・ワシントンDC出身のギタリスト。1990年から2000年までメガデスに在籍。04年から拠点を日本に移し幅広いジャンルで活躍している。「紅蓮華」などをカバーしたアルバム「TOKYO JUKEBOX3」が発売中。

☆しまくら・りか 2000年8月20日生まれ。東京都出身。19年にBEYOOOOONDSとしてデビュー。ユニットCHICA#TETSUのメンバー。最新シングルはオリコン初登場1位の「激辛LOVE/Now Now Ningen/こんなハズジャナカッター!」。ハロー!プロジェクト2021春公演は「チーム花」で参加。

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