自殺関する相談倍増 生活苦など背景 長崎県内、2020年度

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 県と長崎、佐世保両市が2020年度に受けた自殺に関する相談が19年度の約2倍の964件に上ることが、県障害福祉課の集計で明らかになった。同課は新型コロナウイルスの感染拡大による孤立感や生活苦が背景にあるとみている。
 相談は県長崎こども・女性・障害者支援センターと県立の8保健所、長崎、佐世保両市の保健所が電話や面談で応じた。同課によると、うつ病などを訴える人が増えているほか、ドメスティックバイオレンス(DV)や児童虐待など家庭問題の相談も目立つという。県は昨年8月に同センターの相談員を1人増員し、現在は2人体制で医療機関や生活保護の窓口などを紹介している。
 厚生労働省によると、今年1~5月の全国の自殺者数(暫定値)は9039人。前年同期から12.9%増加した。一方、県内は79人で前年同期と同数だったが、中村法道知事は6月28日の県議会一般質問で「コロナ禍の影響長期化で本県でも今後は増加が懸念される」と述べた。本県の20年の自殺者数は前年より13人少ない214人。
 県は今後、7、9、11、1、3月の第2木曜日と金曜日の午後1時~5時、「くらしとこころの総合相談会」を実施する。相談希望日の4日前までに最寄りの保健所=表=に電話で申し込む。相談者は保健所から、オンラインで結んだ県庁にいる臨床心理士や弁護士、中小企業診断士に心の健康や借金などについて相談できる。秘密厳守。

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