新たな平和の価値観発信 千羽鶴ドレスをショーで披露 「長崎原爆の日」に テンボデザイン事務所(千葉県)鶴田能史さん

長崎をイメージさせるドレス「マリア」

 長崎原爆の日(8月9日)に、平和を発信するファッションショーが長崎市で初めて開かれる。主催するテンボデザイン事務所(千葉県木更津市)代表でデザイナーの鶴田能史(たかふみ)さん(39)は、ショーを通じて人々に新たな平和の価値観を伝えたいと願う。
 同社のコンセプトは、国籍や性別、障害の有無を問わず、誰もがおしゃれを楽しめる-で、特に「平和」にこだわる。設立年の2015年、戦後70年にちなんだファッションショー「1945」を東京で開催。障害者と健常者をそれぞれモデルに起用し、衣服の一部に千羽鶴をあしらった色鮮やかな衣装を披露した。鶴田さんは「ファッションで平和を表現できる」と手応えを感じたという。
 19、20年には被爆地広島で実施。昨年のショーでは広島、長崎、沖縄3県の平和団体などに依頼し取得した千羽鶴で作ったドレス「マリア」などをお披露目した。「マリア」は異国情緒あふれる本県の街並みを表現。背中部分に大きく十字架が描かれ、教会をイメージさせる。
 鶴田さんは「千羽鶴は長崎からも寄せられた。長崎でもドレスを披露したい」と考え、8月9日の開催に向け準備を進めてきた。「かわいい、おもしろい、不思議-など感想はそれぞれだと思うが、ファッションショーを入り口に、新しい平和への価値観に気付いてほしい」
 ファッションショー「Pray for Peace Collection」は8月9日午後4時、長崎市松が枝町の長崎港松が枝国際ターミナルで開く。モデルや司会者として本県の被爆2~4世ら22人が出演する。本県出身の画家、田川誠さんによるアート作品の展示会も実施する。
 実行委は、県内在住者を対象に定員100~120人で観覧者を募集している。18日まで。申し込みはテンボデザイン事務所のホームページ(https://www.tenbo.tokyo/kanran)から。ファッションショーの様子は動画投稿サイト「ユーチューブ」でも配信する。
 問い合わせは同事務所(nagasaki@tenbo.tokyo)。

鶴田能史さん

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