Rソックス・澤村が痛恨2被弾で初黒星 敵地ヤ軍ファンの〝ボール攻撃〟に球場騒然 

痛恨の2被弾で初黒星を喫した澤村(ロイター)

文字通り「嵐のゲーム」の中、痛恨の2連弾を食らった。レッドソックスの澤村拓一投手(33)が17日(日本時間18日)、敵地ヤンキース戦で2試合連続のリリーフ登板。1―1の同点で迎えた6回から2番手でマウンドに立ったが、2者連続で本塁打を浴び、メジャー移籍後初の敗戦投手となった。

試合は悪天候のため50分遅れでプレーボール。澤村がマウンドに向かった6回に入ってからは激しい雨となってグラウンド整備で中断されるなど、コンディションはかなり劣悪だった。

それでも右腕は先頭の3番・オドルを90・3マイル(約145キロ)のスプリットで空振り三振を奪う。だが続く4番・サンチェスに右翼スタンドへの勝ち越しソロを許し、さらに5番・トーレスにも右翼スタンドへソロアーチを叩き込まれ連続被弾。ここで降板を告げられ、ベンチへ下がった。

1/3回2安打2失点に終わり、防御率2・89。前日の同カードでは3点リードの6回から1/3回を投げて相手打者を遊飛で料理していたが、一夜明けて強力なヤンキース打線にやり返された。

6回が終わったところで雨のために中断し、そのままコールドゲームが宣告。チームは1―3で今季初めてヤンキースに敗れ、ここまで4勝7ホールドで無敗だった澤村も初めて土がついた。

その一方で、この日は澤村の6回登板時に左翼スタンドのファンが左翼守備に就いていたレ軍・ベルドゥーゴの背中にボールを投げつけ、直撃するハプニングも発生していた。幸いにしてベルトゥーゴは大事に至らなかったものの、ヤンキースタジアムは一時騒然となった。

試合後、レッドソックスのコーラ監督は相手ファンによる前代未聞の〝ボール攻撃〟に困惑し、怒りもにじませていたようだ。米紙「ボストングローブ」でレッドソックス番記者を務めるピーター・エイブラハム氏がリポートした記事によれば「コーラ監督は『これはあくまでも野球のゲームだ。生死に関わるようなことではなく、このような出来事は絶対に起こってはならない』と話し、さらに『球場に来た人が選手に向かって野球のボールを投げたという事実に私はショックを受けている』ともコメントした。ヤンキースのアーロン・ブーン監督も試合後、コーラ監督に謝罪の電話を直接入れ、記者団にはその人物(ベルトゥーゴにボールをぶつけた人物)が逮捕されることを願っていると話した」という。

澤村が初の黒星を喫した同日、長年のライバル関係にある両軍の間に新たな因縁も発生してしまった模様だ。

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