エンゼルス・大谷 松井超えの32号誕生日弾はならず 長打で逆転サヨナラの好機生かせず

7回、追撃の4号ソロを放ったロハス(右)とハイタッチを交わす大谷(ロイター=USA TODAY Sports)

エンゼルスの大谷翔平投手(27)は5日(日本時間6日)に本拠地アナハイムでのレッドソックス戦に「2番・DH」で先発出場し、5回に左前打を放ち、5打数1安打だった。期待されたゴジラ超えとなる32号誕生日弾は出なかった。チームは4―5で敗れ、連勝は4でストップ。勝率5割に戻った。

大歓声のちタメ息だった。4―5の9回二死一、二塁。長打で逆転サヨナラという最高の場面だ。マウンドは4番手の右腕オッタビノ。全てスライダーでカウント3―1からの5球目、真ん中のスライダーをフルスイング。打球速度101・3マイル(約163キロ)の強烈なゴロが一、二塁間を襲い、スタンドから大歓声が上がったが、大谷シフトでほぼ右翼前を守っていた二塁手アローヨの正面だった。そのまま、一塁へ送られゲームセット。少しずれていれば…と思いたくなる打球の速さと強さだった。

修正力を発揮したのは2―5の5回だった。1点を返して一死二塁の追撃の場面。マウンドは相手先発は左腕ペレス。ここまで2打席は徹底した内角攻めに空振り三振、バットを折られて二ゴロと苦しんだ。

2球続けて内角高めのシンカーを見送り、2ボールからの3球目、92・5マイル(約149キロ)の内角のシンカーを詰まりながら左前に運んだ。二走のロハスは猛然と本塁に突入。球審は「セーフ」とコールしたが、ビデオ判定の結果、「アウト」に覆り、適時打にならなかった。

直近7安打が全て本塁打と量産モードに入っている大谷の単打は6月25日(同26日)の敵地レイズ戦の2打席目以来、39打席ぶりの〝珍事〟だ。その時は一塁へのバント安打だった。外野への単打は6月14日(同15日)の敵地アスレチックス戦の2打席目の中前打以来、77打席ぶり。

3―5の7回二死無走者でマウンドは2番手の澤村。メジャー初対戦実現かと思われたがコーラ監督は3番手の左腕テーラーに交代。2ストライクからの3球目、88マイル(約142キロ)の外角寄りのスライダーを叩いたもの、高く上がった左飛に倒れた。

この日は大谷の27歳の誕生日。米メディアには祝福する記事があふれた。エンゼル・スタジアムでは先着1万4000人に大谷の顔がプリントされた枕がプレゼントされた。そんなお祝いムードの中、普段は空席が目立つ球場に3万8201人が詰めかけ、大谷が打席に立つたびに「MVP!」「MVP!」と大コールが送られたが、祝砲を放つことはできなかった。

6日(同7日)のレッドソックス戦では今季13度目、前半戦最後の先発マウンドに上がる。

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