住宅全壊の小田原「崖が滝のよう」 記録的大雨、逗子のIC復旧どうなる

住宅に近い崖が崩れた現場では、応急的な対策が進められている=14日、逗子市沼間

 「崖が滝のようになっていた。あんなに激しい雨は経験したことがない」

 7月上旬を中心とした記録的な大雨の影響により、斜面が崩落し住宅が全壊した神奈川県小田原市西部の江之浦地区。地元の男性は、雨量がかさんだ3日午前の状況を振り返る。付近の根府川に県が設置した雨量計が7月上旬に捉えた連続雨量は600ミリに迫っていた。

 「すぐ近くの住民がドンという大きな音を聞いたようだ」。連絡を受け現場を確認すると、住宅が土台から押し流され、倒壊していた。「住んでいる人は買い物に出掛けていたらしく、無事だった。巻き込まれなくてよかったが、今後さらに被害が広がらないだろうか」と気をもむ。

 逗子市沼間の横浜横須賀道路逗子インターチェンジ(IC)付近で3日午前に起きた崖崩れも、地域に不安を広げている。近くの主婦は「JR東逗子駅への近道が通れなくなり、生活に影響が出ている。早く安心して暮らせるようにしてほしい」。現場一帯は土砂災害警戒区域に指定されており、崖上に住宅が迫っている。

 東日本高速道路関東支社によると、斜面は高さ、幅ともに40メートルほどが崩落。さらに崩れないよう応急的な補強を進めており、地盤の異変を検知するセンサーを取り付けて近隣住民に知らせる態勢も整えたという。

 しかし、「今後の本格復旧に向けて、土質の調査や有識者による検討が必要」で、同ICの通行止めは数カ月程度続く見込みだ。

 このほか横浜市内では、崖や擁壁の崩落現場に一部の住宅が隣接しており、住民の避難が長期化する可能性があるという。

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