【U―24】感染対策「穴」だらけ…それでも22日やるのか 濃厚接触者21人の南ア戦

いよいよ五輪初戦に臨むU-24代表

東京五輪サッカー男子の南アフリカ代表選手2人とスタッフ1人が新型コロナウイルスに感染し、21人が濃厚接触者となった件で新たな難題が浮上した。

大会組織委員会は濃厚接触者21人の大半が選手だと公表。18日のPCR検査では全員が陰性だったというが、感染者や濃厚接触者への対応を巡って甘さを指摘する声があふれている。

19日現在で組織委が公表するコロナ陽性事案は58件だが、高谷正哲スポークスパーソンは「陽性者を大きく出しているわけではなく、陽性率が高いわけでもない。重要なのは対応です」と話した上で、濃厚接触者と認定されても一定の条件を満たせば練習や試合に参加できる方針を説明した。すでに政府と組織委は、6時間前以降の検査で陰性となれば試合に出場できる方針を示している。練習についても「自室に滞在」「1人で食事」「専用車で移動」などの条件を満たせば可能としている。

だが、このルールには疑問の声がつきまとう。たとえ選手村の自室で過ごしたとしても、トイレを利用すれば他人と触れ合う可能性は十分。また、動線を分けて移動しても、いざ練習場に着いたら他の選手との接触は避けられない。特に今回のような団体競技であればなおさら。ルールの〝穴〟はいくらでもある。

一方、感染者や濃厚接触者の個人情報の扱いも難しい。組織委は陽性事案について国名や選手名などを公表しておらず、対戦相手に対しても「公表する情報は一緒」としている。今回は南アフリカが自国の選手の感染を公表したが、規則上は相手チームから陽性者が出たとしても、それを知らぬまま戦うケースもあり得るということだ。

日本はその南アフリカと1次リーグ初戦(22日、東京)で対戦予定。MF遠藤航(28=シュツットガルト)は「惑わされずに、自分たちのやるべきことをしっかりやることが大事」と話すが、果たしてどんな展開になるのか。

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