【横浜市長選】前・神奈川県知事で参院議員の松沢氏が出馬を表明 立候補の意向10人目

横浜市長選への出馬を正式に表明する松沢成文氏=20日、横浜市役所

 任期満了に伴う横浜市長選(8月8日告示、22日投開票)を巡り、前神奈川県知事で参院議員の松沢成文氏(63)=日本維新の会=が20日、市役所で会見し、無所属で出馬すると正式に表明した。同市長選に立候補の意向を示したのは10人目。出馬者は過去最多の6人を大きく上回る見通しだ。

 出馬者全員が当選に必要な法定得票(有効投票総数の4分の1)に届かない可能性も浮上。全国首長選で7例目、うち政令指定都市では2003年の札幌市以来、2例目に当たる再選挙も想定される大激戦となりそうだ。

 会見で松沢氏は「市政大刷新に向けて立候補する決意を固めた」と表明した。カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の横浜誘致を巡り、日本維新の会はIR推進の立場だが、松沢氏は今年2月に「民主的プロセスを経ていない形でIRを強行するのは反対だ」と述べている。

 松沢氏は川崎市多摩区出身で慶大卒。松下政経塾を経て1987年の県議選で初当選。衆院選では93年から3回連続で当選した。2003年から知事を2期8年間務め、知事の多選禁止条例や受動喫煙防止条例の制定などを手掛けた。12年には東京都知事選に無所属で出馬したが落選。13年の参院選で神奈川選挙区からみんなの党で出馬して当選し、19年に日本維新の会から出馬し再選している。

 同市長選には横浜市議の太田正孝氏(75)、動物保護団体代表理事の藤村晃子氏(48)、元衆院議員の福田峰之氏(57)、前国家公安委員長で元衆院議員の小此木八郎氏(56)、立憲民主党が推薦する元横浜市立大教授の山中竹春氏(48)、水産仲卸業社長の坪倉良和氏(70)、元長野県知事で作家の田中康夫氏(65)、現職で4選を目指す林文子市長(75)、弁護士の郷原信郎氏(66)の9人がすでに立候補の意向を表明している。

 IRに賛成の立場を表明しているのは林と福田の2氏。8氏が奪い合う格好の反対票の行方も選挙戦の焦点となりそうだ。

 今回で20回目を数える横浜市長選で最多の6人が出馬したのは第10回(1982年)、14回(98年)。いずれも与野党相乗り体制の現職が50%以上の得票で圧勝している。

 直近の県内選挙人名簿(6月1日現在)によると、横浜市の有権者は312万9398人。法定得票は投票率50%ではおよそ39万1千、40%は31万2千、30%は23万4千―などとなる。(横浜市長選取材班)

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