松川るい防衛大臣政務官は20日、神奈川県横須賀市の上地克明市長を訪問し、英空母クイーン・エリザベスなどの横須賀寄港について説明した。上地市長は寄港の意義に理解を示した上で、市民の安全のため十分な新型コロナウイルス対策を求めた。
市によると、今回の寄港について、米空母の母港としての実績や、空母が入港できる基地が横須賀だけであることから総合的に判断したと説明を受けたという。寄港する4隻のうち同空母と米駆逐艦が米海軍横須賀基地、英海軍の駆逐艦とオランダ海軍のフリゲート艦が海上自衛隊横須賀基地に入る。入港日や寄港期間は明らかにされていないという。
同空母打撃群を巡り、多数の新型コロナウイルス感染者が出たとの報道があるが、市に対しては▽乗員は全員2回のワクチン接種を済ませている▽洋上で14日間以上待機した上で寄港▽日本側が定める水際対策を順守-などとする英側の説明が伝えられた。同空母の約1240人をはじめとする各艦乗員が基地から出ることがあるのかは未定。
上地市長は松川政務官との会談後、「市民をはじめ基地従業員の皆さんが不安に感じることのないよう、万全の対策を取るよう申し入れた」と語り、黒岩祐治知事は「国に対し、新型コロナ感染状況について常に状況を把握し、情報提供することを求める」などとコメントした。
市民団体「原子力空母母港化の是非を問う住民投票を成功させる会」は「乗員からの感染拡大や、地域医療機関への負担など住民に大変な負担、危険を与える事態も発生しかねない」として、寄港に反対している。