【なでしこ】岩渕が報道陣に異例のお願い「PKのミスについて取り上げてもらいたくない」

同点ゴールを決め杉田と喜ぶ岩渕(ロイター)

なでしこジャパンで10番を背負うエースFW岩渕真奈(28=アーセナル)が、PK失敗した後輩を擁護し、報道陣に異例の〝お願い〟をした。

日本は21日に行われた1次リーグ初戦のカナダ戦で1―1と引き分けた。終盤までリードを許す苦しい展開だったが、土壇場の後半39分に岩渕がゴールを決めてチームを救った。

試合後の会見に出席した岩渕は「チーム全員の気持ちが乗ったゴールだったと思う」と振り返ったが、特に力を込めて熱弁したのがFW田中美南(27=INAC神戸)が後半5分に自ら得たPKを失敗した場面だ。

「PKの場面に関しては彼女自身がもらったPKだし、途中から入った中で彼女のストライカーの気持ちは自分も理解しているつもりなので『蹴れば』という話をした。彼女が蹴ると言ったので、自分は『思いきってね』という話はした」。普段はエースの岩渕がPKのキッカーを務めるが、田中に譲った経緯を明かした。

そのうえで「でも、PKのミスについて取り上げてもらいたくない。本当にポジティブに(報道することを)記者の皆さんにはお願いしたいです」と報道陣に異例の要請。大舞台でPKを失敗した後輩のショックをおもんぱかり、先輩として擁護したのだ。

ピッチ上では田中のミスを帳消しにするゴールを奪い、ピッチ外でもチームの一体感を高める行動。エースとしての風格が出てきた岩渕が力強くチームをけん引していきそうだ。

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