神奈川県綾瀬市は22日、新型コロナウイルスのワクチン接種を12~18歳の若者を対象に進めるため、夏休みを利用した集団接種を開始した。
市は当初、同年齢層への接種を9月以降に予定していたが、各地で若い世代の感染が目立ち、2学期は運動会などの学校行事が多くなることから前倒しした。この世代への接種は、県内ではまだあまり始まっていないという。
「あやせ夏休み接種会場」を8月30日まで、市役所最上階の7階の市民展示ホールに設置。月曜と木~日曜の週5日、午前と午後に実施する。15歳以下には保護者の同伴を求めている。
対象となる約5200人のうち、2250人分のファイザー社製ワクチンを確保した。7月14日から予約を始め、21日現在で1592人を受け付けた。
初日は予約した150人全員が接種を受けた。母親と一緒に訪れた高校3年の女子生徒(17)は「副反応の頻度が大人より高いことは気になったが、大学受験を控えているので打つことを決めた。学校が休みのこの時期に早く接種できて良かった」と話した。
市は文部科学省の通知に従い、学校での集団接種は行わないが、夏休みを逃すと接種機会が減ると想定。接種の有無によるいじめや差別が起きないよう文書を配布するなど配慮した。
会場を視察した古塩政由市長は「移動する機会の多い若い人が、希望すれば接種できる体制を用意することは、感染拡大に歯止めをかけることに有効だと判断した。予約枠はまだ残っており、ぜひ利用してほしい」と話している。