段ボール熊手、紙のシャチ…個性豊かに300点 平塚市美術館で障害者作品展

個性豊かな作品約300点が並ぶ企画展=平塚市美術館

 神奈川県平塚市の障害福祉サービス事業所「スタジオ・クーカ」の利用者の作品を集めた企画展「studio COOCAのパッパラパラダイス2021」が、同市西八幡の市美術館で行われている。個性豊かな絵画や立体作品など約300点を展示している。

 同事業所は市内外の障害者約100人が利用。絵画や立体作品などの制作に取り組み、商品やパッケージのデザインなども手掛ける。事業所のスタッフは、利用者の趣味や好みなどを尊重し、個性を生かした創作活動をサポートしているという。

 会場には、段ボールで作った熊手に恋愛成就を願って好きな人を描いた絵を貼り付けた立体作品や、原色を組み合わせた色彩が特徴的なキャラクターの絵画など個性的な作品が並ぶ。他者とのコミュニケーションを目的に、イベント開催時に多くの人に少しずつ好きな色を塗ってもらって完成させた絵画もある。

 紙を切って多くのシャチを表現した伊藤太郎さん(31)=横浜市港南区=は「シャチが好きで、生息数がもっと増えればと思って作った」。同事業所スタッフの北沢桃子さん(39)は「作者の勢いの良さや明るさ、自由さなど、さまざまなものを感じ取ってほしい」と話している。

 9月12日まで。観覧料は中学生以下と市内在住の65歳以上は無料、高校・大学生500円、64歳以下700円。月曜休館。問い合わせは同美術館電話0463(35)2111。

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