主演のモー・ズーイー 失った同性パートナー思いながら作ったピアノ曲披露 「親愛なる君へ」特別映像

劇場公開中の、台湾アカデミー賞3部門受賞作「親愛なる君へ」から、主演のモー・ズーイーによるピアノ演奏を収めた特別動画が公開された。

ピアノ教室の先生を演じているモー・ズーイー。特別映像では、ピアノを弾く役は今回が初めてではなかったというモー・ズーイーが、同性パートナーである登場人物のリーウェイを思いながら作ったというピアノ曲に、未公開シーンも含めた劇中の映像が重ね合わされている。約2分という短い映像の中に、モー・ズーイー演じるジエンイーの、同性パートナー・リーウェイへの思いが表現されている。映像の後半は、台湾版予告編が収められている。父親が日本人で日本が堪能なチェン・ヨウジエ監督自身によって翻訳された日本語字幕が入った、すべて台湾で制作された予告編となっている。

あわせて公開された場面写真では、パートナーだったリーウェイを亡くした登山のシーンなどが切り取られている。舞台のひとつである山について監督は「台湾人にとって山は特別なもの。本作にも山の景色が多く出てきますし、ジエンイーとリーウェイにとっては、山こそが彼らの居場所。山はすべての生き物を平等に見ています。山が彼らにとって、誰からもとがめられることのない家なのです」と語っている。

「親愛なる君へ」は、「ヤンヤン」などで知られるチェン・ヨウジエ監督が、5年ぶりにメガホンを取った作品。青年・ジエンイーと今は亡き同性パートナーの母と子との血のつながりを越えた“家族”の絆を描く。ジエンイーを演じているのはモー・ズーイー。本作で高い評価を受け、第57回台湾アカデミー賞(金馬奨)主演男優賞などの映画賞で受賞を果たした。また老婦・シウユーを演じたチェン・シューファンも第57回台湾アカデミー賞(金馬奨)で助演女優賞を受賞。台湾アカデミー賞では他にもオリジナル音楽賞を受賞し、合計3部門で受賞。また、作品賞にもノミネートされた。

【作品情報】
親愛なる君へ
シネマート新宿・心斎橋ほか全国順次公開中
配給:エスピーオー、フィルモット
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