【東京五輪】予選敗退のキング内村が語った〝引き際〟「引退宣言ってする必要あるのかな」

試合後、引き際について聞かれた内村は…

東京五輪の体操男子予選が24日、有明体操競技場で行われ、種目別・鉄棒で3大会連続金メダルを目指した五輪個人総合2連覇・内村航平(32=ジョイカル)がまさかの落下。五輪初日に姿を消し、試合後に自らの引き際について語った。

五輪初日に終戦となった内村は試合後、報道陣の前に晴れやかな表情で現れた。質問が出る前に「あ、じゃあ」と帰るそぶりをして笑いを誘うなど、吹っ切れた様子だった。

開口一番、心境について「自分のことに関しては何も感想はない。何やってるんだ、バーカみたいな。何も言い訳しない」と言いつつ「もう米倉に対しては土下座して謝っても許してくれないだろうなと思っています」と、五輪出場枠を争った米倉英信(徳洲会)への思いを語った。

試合直後のインタビューでは「体操をするのはもういいのかな」「僕はもう主役じゃない」と引退をほのめかす言葉を吐いていたが、改めて引き際について問うと「体操を僕が永遠にやめないかもしれないじゃないですか」と切り出し、こんな考えを口にした。

「別にいつ引退するとかって特に考えていないし、引退することが終わり方の正解かっていうと、僕は違うかな、と。伊調(馨)さんも『引退します』って言っていないし。競技が僕は好きなので、形的には引退している感じでも、別に引退宣言とかってする必要あるのかなって最近、思っていますね」

10月には故郷で世界選手権(北九州市)が開催。選考方法は「東京五輪のメダリストを優先選出」が基本で、個人総合選手(1人)、種目別選手(4人)、メダルの可能性が高い選手(1人)となっており、内村が出場権を得る可能性は十分ある。

それでもキングは「まだ代表が決まっていないので、そこに対しては今、考えることはない」と語っているが、いずれにしても内村は死ぬまで体操をやり続ける。そのブレない意思だけは確認できた。

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