【東京五輪】“終戦” 内村航平へ 体操新エース橋本大輝「僕が金を取って航平さんの首にかけたい」

橋本大輝

東京五輪の体操男子予選が24日に行われ、五輪個人総合2連覇・内村航平(32=ジョイカル)が鉄棒で落下。今大会は種目別の鉄棒に専念して3大会連続の金メダルを狙っていたが、五輪初日でまさかの〝終戦〟となった。

五輪選考会では幾度もハイスコアをマーク。決勝進出は確実視されていたが、冒頭のH難度のブレトシュナイダー(後方抱え込み2回宙返り2回ひねり)など大技を成功させた直後のひねり技で落下してしまった。

誰もが想像もしなかったミス。間近で見ていた後輩たちも驚きを隠せない。谷川航(セントラルスポーツ)は「正直、ショック。マジか…と」と話し、北園丈琉(徳洲会)は「合宿でも見たことがない。五輪は何が起こるか分からない。あれで全員がピリっとした」と振り返った。

一方、個人総合の予選1位となった体操ニッポンの新エース・橋本大輝(順大)は「一番鉄棒に練習をかけてきて、失敗して。同じ人間ですから、どれだけ練習してきても結果がイコールになることは少ない」とキングの心情をおもんぱかり、最後は彼らしい殊勝な言葉を吐いた。

「僕が鉄棒で金メダルを取って、航平さんの首にかけたい。最高に一番きれいな色を、最高に一番似合う人に。そう思っています」

キングの戦いは終わったが、夢の続きは後輩たちが作ってくれるはずだ。26日、内村不在の体操ニッポンは団体金メダルを懸け、決勝の舞台で戦う。

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