花柱7.3メートル 新上五島でリュウゼツラン開花

屋上まで届いたリュウゼツランの花を見上げる職員=県五島振興局上五島支所

 新上五島町有川郷の長崎県五島振興局上五島支所敷地内で、数十年に一度だけ花を咲かせるといわれる「リュウゼツラン」が開花した。急激に伸びた花柱は高さ7.3メートル。職員らは2階の窓から、まさに手に取るように間近で花を見る幸運に恵まれている。
 九十九島動植物園(森きらら)によると、メキシコを中心に自生する多肉植物。テキーラの原料としても知られる。花柱が高く伸びる特徴があり、生涯にただ1度だけ、多数の小さい花を咲かせる。「開花まで20~30年かかることはまれではない。開花後の株は枯死する」と担当者。開花後、約1週間咲き続ける。
 2階の建設部職員、西岡聖真(しょうま)さん(22)は「5月上旬『窓の外に何かがある』とびっくりした」。花柱はその時点で約5メートル。6月上旬には現在の高さ7.3メートルに成長し、花のつぼみも確認された。近隣の人たちも「珍しい」と見物に訪れ、職員らと開花を待ちわびていた。
 今月19日、黄色の花が下から順に咲き始めた。丸亀俊一支所長は「コロナ禍の今を選んで開花するとは、エールを送ってくれているように思え、縁を感じる」と感慨深げに話した。

2階の窓から見えるリュウゼツランの花

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