【テニス】錦織圭キレキレ! 初戦突破の原動力は選手村〝テラスハウス〟生活

初戦を突破した錦織(ロイター)

東京五輪のテニス男子シングルス1回戦が25日、有明テニスの森で行われ、リオ五輪銅メダルの錦織圭(31=日清食品)が、第5シードで世界ランキング7位のアンドレイ・ルブレフ(ROC)に6―3、6―4のストレートで勝利。2018年のツアー最終戦「ATPファイナルズ」でロジャー・フェデラー(スイス)を破って以来、約2年8か月ぶりの〝トップ10食い〟で2回戦へコマを進めた。

ケガに悩まされた1年のモヤモヤを吹っ飛ばような躍動ぶり。序盤からショットが安定し、特にフォアにキレがあった。バックのダウンザラインも効果的に決まり、間違いなく今年一番の動きを見せた。試合後、本人は「ケガしてからこれだけのレベルでプレーできたのは久しぶり。もちろんトップ10に勝てたことも収穫でしたが、これだけのプレーができたことが一番うれしいですね」と充実感を漂わせた。

新型コロナウイルス禍の五輪開催には思うところがあった。この日も「何も考えないようにしています。考え始めると若干、ネガティブなことがどうしても出てきますし…」と本音をのぞかせたが、その一方で「うれしいニュースだったり、他のスポーツの選手が活躍しているのを見ると刺激を受ける。エネルギーをもらえるのが五輪のいいところだと思っているので、そこは活用したい」と前向きだ。

選手村での生活もパワーの源となっている。「今日も朝、ヨッシー(西岡良仁)に起こされたので早く起きれた(笑い)。なかなか選手同士でテラスハウスすることもないので。いいところと難しいところもあるが、五輪の良さだと思って生活しています」。普段のツアーでは経験できない共同生活が癒やしになっている。表情の明るさはすでに金メダル級。今後の戦いから目が離せない。

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