新日本プロレスのIWGPジュニアタッグ選手権(25日、東京ドーム)は石森太二(38)、エル・ファンタズモ(34)組が〝疑惑〟をはねのけ王座を守った。
田口隆祐、ロッキー・ロメロ組を迎えた初防衛戦は、両軍が持ち味を出し尽くす熱戦となった。田口のヒップアタック乱れ打ちに苦しめられた王者組だったが、石森が場外への三角飛びケブラーダを決めると、ファンタズモも鉄柵越えのムーンサルトアタックで続く。
ところが着地で、ファンタズモは右足のカカト部分を痛めた様子。かねてサドンデス(スーパーキック)の不自然なまでの威力から、シューズに何かしら細工がされているのでは?と疑惑の目が向けられていたが、挑戦者組はこれで一層、疑いを強くした。
そこで田口は強引にシューズを脱がし、靴の中をチェック。そこで何かを発見した様子で、驚きの表情を浮かべながらレフェリーのチェックを要請する。
ところがこれを石森が阻止。その隙にファンタズモが急所攻撃からのCRⅡ(変型フェースバスター)で田口から3カウントを奪った。
試合後、ファンタズモは「サドンデスの秘密を暴くって偉そうに言ってたけど何もなかった、そうだろ? 自粛期間中は地元のカナダであらゆる種類の木を蹴って、スーパーキックを鍛えてきたんだ」と豪語。石森も「ファンタズモのブーツばかり気を取られやがって。何か入っている? おおげさだ。あれはファンタズモが自粛中に開発したサドンデスという立派な技だ。これで分かっただろ? 俺たちの実力がトップクラスだということが」と胸を張った。
一方の田口は「あのリングシューズ、普通に比べて重い。靴自体に何か細工がされているんじゃないかと思いました。これはもう一回やらないとダメですね。IWGP実行委員会にあのシューズを調査してもらいたい」と徹底糾明することを予告した。