韓国のバイオ医薬品輸出が約140%の急増 「バイオシミラー分野で世界市場をリード」研究所分析

韓国のバイオ医薬品輸出額が新型コロナウイルス以降で2倍以上の急増をみせ、世界7位のレベルに達したことが分かった。

韓国貿易協会所属の国際貿易通商研究院が26日に発表した「世界の医薬品サプライチェーンの変化と韓国の輸出競争力分析」報告書によると、昨年の韓国のバイオ医薬品の輸出は新型コロナウイルス拡散の中でも2019年の21億ドルから139.1%の増加となる51億ドル(約5,260億円)を記録した。

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同輸出額は世界7位の水準であり、前年の9位から2ランク上昇した。

輸出競争力指標上、欧州連合(EU)、米国、中国、日本と比べても高い水準であることが分かった。

医薬品は、製造方法に応じて、合成医薬品とバイオ医薬品に分類されるが、バイオ医薬品は、生物に由来する物質を原料または材料で製造したものをいう。生物学的製剤、遺伝子組換え医薬品等が該当する。

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報告書は、「最近、世界的な医薬品市場の中心が合成医薬品からバイオ医薬品に移動している」とし、「韓国は、バイオシミラー分野のパイオニアとして世界市場をリードしており、輸出競争力の面でも、米国、中国、日本など競争国よりバイオ医薬品で優位性が見られる」と分析した。

こうした中、米国が必須医薬品の国内生産を拡大し、同盟国との協力を強化する方向で、サプライチェーンの再編を推進したことが、韓国に新たな機会として作用する可能性が高いと報告書は予想した。

キム・ギョンフン研究委員は、「韓国は世界第2位の規模のバイオ医薬品生産能力を備え、グローバル企業とワクチン・治療剤委託生産契約を多数締結するなど、世界的水準の製造能力を備えた」としながら、「米国などのグローバルなサプライチェーン再編を機会とし、積極的な政府支援と民間投資を通じて(韓国を)先端医薬品グローバル生産拠点として位置づけなければならない」と提案した。

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