【東京五輪】テニス猛暑地獄…小谷実可子氏が言及の五輪史上初男子採用「ヒートルール」とは

錦織も酷暑の中でプレー

東京五輪のテニス競技が開催中の「有明テニスの森」が〝猛暑地獄〟として話題だ。男子世界ランキング2位のメドベージェフ(ROC)は「信じられないほど暑い」と試合時間を夕方にシフトすることを提案。同1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)も賛同するなど、選手は困惑している。

コートレベルで撮影する現場のカメラマンからも悲鳴が上がっており、「卵焼きができそうだ」との声も。特に第1、2試合の時間帯(午前11~14時)は暑さのピークだ。では、実際にどんな対策を打っているのか? 小谷実可子スポーツディレクターは「組織委としては、暑い場合は途中で休憩を入れたり」と説明するように、実は今大会のテニス競技では「ヒートルール」という暑熱対策が取られている。気温や湿度などの気象情報を基に設けられた休憩時間だ。

同競技のテクニカルデレゲート(TD)を務める川廷尚弘氏は「一定の気温を超えると第3セット前に10分間の休憩を行う。今回は史上初めて男子にも採用されています。暑さでコートを離れることは男子は経験したことがない。試合の流れを左右する可能性もあります」と説明している。

五輪史上初となる男子のヒートルール。実際に1回戦で採用されており、24日は午前11時~午後4時52分、25日は午後1時~5時04分の間に実施。ただ、休憩を入れたとしても、コートから照り返される〝熱量〟に変化はなく、いまも試合時間シフトを望む声が根強い。

もともと暑熱対策は大会組織委員会が取り組む課題の「一丁目一番地」。数年前から各会場で様々な実験が行われたが、新型コロナウイルス禍によって力を注ぐ個所か「感染対策」に一変してしまった。屋内はコロナ、屋外は猛暑――。選手の〝二重苦〟は続きそうだ。

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