東京五輪の柔道競技解説に格闘家の青木真也(38)が参戦だ。早稲田大学柔道部時代には全日本ジュニア強化選手にも選ばれた〝バカサバイバー〟が、独自の視点でぶった切る! まずは男子66キロ級の阿部一二三(23=パーク24)と女子52キロ級の阿部詩(21=日体大)の〝最強兄妹〟がそろって金メダルを獲得するなど好調なスタートを切った2日間を分析した。
【格闘家・青木真也の多事柔論】
オレたちはファミリーだ! どうも、青木真也です。久々に東スポで柔道の解説をやらせてもらうよ。よろしくお願いします。
まずは最初の2日間だけど、やっぱり史上初の男女きょうだい同日優勝の阿部一二三、詩。なんだかんだ普通に強かった。
詩さんは、とにかく組み手が強いと思いました。だから技数が少なくても勝っちゃえますよね。寝技も強かったし、相手はどうしようもなかったんじゃないかなあ…。このまま強さを追求していってくれればいいと思います。
お兄ちゃん(一二三)も、言ってしまえば生物として強い。結局、最後に上を取っちゃうじゃないですか。強さの秘訣? これを言っちゃうと元も子もないんですけど、体力ですね。他の選手とはレベルが違ったと思います。結局、去年12月の代表決定戦で丸山(城志郎)さんに勝った時点で金メダルだったんですよ。逆に言うと丸山さんがかわいそうですよね…。
そもそも今回、日本勢が調子いいのには理由があるんですよ。ずばり「消耗がない」から。新型コロナウイルスで五輪が延期になった分、1年前には代表選考が決まっていたじゃないですか。最後に決まったお兄ちゃんも12月でしょ。いつもみたいにギリギリまで争ってない。国内でのつぶし合いがなかったのが大きいですよ。
実際2日目まで、阿部きょうだいだけじゃなくて渡名喜風南さん、高藤直寿さんと全員コンディションがいい。だから、これからもメダルラッシュだと思います。ここから先も絶対、全員、コンディションいいもん。
高藤さんも、何より気持ちが疲れてないように感じました。ギリギリまで争っていると、体の消耗もあるけど、どうしても気持ちが疲れちゃうんですよ。まあ、僕は(五輪で試合を)やったことないんですけど(笑い)。ただ、MMA(総合格闘技)でも試合が続くと気持ちが疲れるんですよ。
五輪選手がよく言うんですけど、五輪が始まっている時には終わっているような感覚になっちゃうらしいです。疲れちゃって。だからこれからの五輪も、今回のように早く代表を決めてあげた方がいいと思います。
最後に、阿部きょうだいにメッセージがあるから載せてくれ。(兄・一二三の所属が)パーク24でしょ。だから報奨金の使い道は決まりですよね? 駐車場経営で。ただ、確か金額は500万円(非課税)なんで、いい土地は買えないでしょう。だから、まずは僕が始めた「100万円が4か月で250万円になる新規事業」に投資していただけたらと思います。では!