自民・山口3区のくら替え騒動、神奈川3区に余波 横浜市長選出馬表明の小此木氏の後継、見通せず

 任期満了に伴う横浜市長選(8月8日告示、22日投開票)へ出馬表明した小此木八郎前国家公安委員長が地盤とした衆院3区の自民党後継候補の党本部決定に長期化の懸念が漂い始めている。選挙区関係者は小此木氏が推す参院議員の中西健治氏(神奈川選挙区)の擁立を希望するが、山口3区のくら替え騒動の余波が及び、先が見通せなくなっているためだ。

 山口3区の自民現職は河村建夫元官房長官(二階派)。そこへ今月初旬、同県選出参院議員の林芳正元文部科学相(岸田派)がくら替え出馬を表明した。河村氏後見人の二階俊博幹事長は「党除名もあり得る」と林氏をけん制した。

 その根拠は二つある。一つは「選挙区での現職優先の原則」で、もう一つは党で規定する「くら替え原則禁止」。「現職優先」の可否は時の党執行部の判断によるところが大きいが、くら替え出馬する現職議員を公認・推薦しないのは「原則」とされている。

 実際には「地域など所々諸々の事情を踏まえ柔軟に対応してきた」(党選挙対策委員会関係者)。ところが山口のケースで「原則」がクローズアップされ、「中西氏へ火の粉が降りかかっている。山口が決着しないと神奈川も先へ進めない構図」(同)という。

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