【横浜市長選】現職・林文子氏が4選出馬へ IR誘致推進、地元経済人が支援

定例会見で記者の質問に笑顔で答える林文子市長=7日、横浜市役所

 任期満了に伴う横浜市長選(8月8日告示、22日投開票)で、現職の林文子市長(75)が4選を目指して立候補する方針を固めたことが7日、関係者への取材で分かった。

 カジノを含む統合型リゾート施設(IR)誘致の推進と新型コロナウイルス対策を軸に市政継続を訴えるとみられる。地元経済人からの出馬要請を受け、15日にも正式表明する。

 今回の市長選で最大の焦点だった林氏が態度を決めたことで、戦いの構図がほぼ固まる見通し。これまでに出馬意向を示した立候補予定者の大半がIR反対を掲げており、誘致の是非が主要な争点となりそうだ。

 複数の関係者によると、林氏は7日までに4選を目指して立候補する意思を周囲に伝えた。市内の経済界や業界団体などは来週にも正式に出馬を要請する。一部経済界の重鎮らが選挙対策本部を発足させる動きもある。

 今回の市長選を巡り、林市政を支えてきた自民党横浜市連は6月、多選に加え高齢や健康問題を不安視して「支援しない」との方針を伝達。林氏は出馬に強い意欲を示したとされるが、公の場では「まだ判断に至っていない」などと進退を明らかにしてこなかった。

 7日の定例会見でも、「経済界や市民、団体など大変いろいろな方から出馬の要請をいただいている」と述べたものの、「熟慮している段階。まだ(出馬の)意向を決めたということはない」と明言を避けた。

 IR誘致を巡っては、元国家公安委員長の小此木八郎氏(56)=衆院3区、自民党=が横浜誘致を「取りやめる」と表明したほか、立憲民主党が推薦を決めた元横浜市立大教授の山中竹春氏(48)も「断固反対」と表明。現時点で立候補の意向を表明している8人のうち7人が反対の立場を示している。

 林氏はダイエーの会長や東京日産自動車販売の社長などを経て、2009年の横浜市長選で民主党(当時)の推薦を受けて初当選。13年は自民、公明、民主党の推薦を受けて再選し、17年は自民、公明党の推薦を得て3選を果たした。

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