延岡市民ら歓喜と称賛 五輪柔道大野選手「金」

 「これぞ日本の柔道」「感動した」―。東京五輪柔道男子73キロ級で大野将平選手(29)が2大会連続の金メダルに輝いた26日、所属する旭化成柔道部の本拠地・延岡市では市民らが歓喜に沸いた。開催の1年延期など厳しい環境の中、あらゆる重圧をはねのけて頂点に立った王者に惜しみない称賛の声が贈られた。
 大野選手の内股に憧れて技を磨き続ける延岡学園高3年で男子柔道部主将の花岡晴琉(はる)さん(17)は「すごい戦いだった」と興奮気味。初戦から一本を狙い続ける気迫に「これこそ日本の柔道」。勝利しても礼儀を忘れない姿にも感銘を受け「本当の強さとは何か教えてもらった。見習いたい」と話した。
 中高生のころ柔道の私塾「講道学舎」(東京)で共に練習を重ねた同市幸町1丁目の会社員上田達彦さん(27)は「心技体、全ての面で王者にふさわしい」と連覇を祝福。就寝前に毎晩、内股の打ち込み練習を何百回と繰り返していた大野選手の姿を鮮明に覚えているといい「誰よりも我慢と練習を重ねて自分との闘いに勝った」と声を震わせた。
 「本当に見事。元気をもらった」と喜びを爆発させたのは、大野選手が合宿などで同市に滞在する際に度々訪れる同市船倉町2丁目の辛麺屋「喜多楼」代表の甲斐保成さん(39)。「コロナ禍で試合や合宿も満足にできない中、自分を追い込んで練習したのが伝わった」と感激。「今度延岡に来たときには差し入れを持って行き、直接おめでとうと伝えたい」と凱旋(がいせん)を心待ちにした。

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