青木真也が解説「大野将平の強みは “姿勢の良さ”」 コソボ躍進に貢献した意外な人物も暴露!

死闘となった決勝を制し、勝利をかみしめる大野将平(左)

【格闘家・青木真也の多事柔論】オレたちはファミリーだ! 青木真也です。

男子73キロ級の大野将平が圧倒的な強さで金メダルを取りました。決勝の相手シャフダトゥアシビリとは相性が良かった。向こうは相手の背中を持ちたいし、大野も組みたい。互いに得意の形が同じだった。そこで大野は無理せず消耗させて投げて、完勝でした。

彼の強さの秘訣は「姿勢の良さ」だと思います。姿勢がいいと組み手も良くなるし、今のルール上、攻めているように見えるから指導をもらわないので。腰が引けてると消極的に見えますよね?

今後? 前は格闘技に来てほしいと思ったけど、今の柔道はルールが変わってスポーツになりましたから。脚への攻撃がなく、押さえ込みも格闘技と違う柔道独自の寝技です。大野選手もそれに対応した柔道になったので、厳しいかもしれない。だから正直、格闘技より3連覇を目指したほうが…。

女子57キロ級の芳田司は準決勝でコソボのジャコバに負けて銅メダルだったけど、コンディションが良さそうだったから惜しかったですね。だけど、注目はコソボですよ。ジャコバで金メダル2個目。コソボ旋風が吹き荒れています。やっぱり内戦を経験した国の人は強いんでしょうか。

コソボと言えば1999年の「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア」優勝のケンドー・カシンでしょ。あの時、カシンが賞金を寄付しなければコソボは復興しなかったかもしれないし、そしたらジャコバも柔道をしていなかったかもしれない。つまりコソボの躍進はカシンのおかげ。しかしあれからもう22年かあ。オイラも年をとるわけだなあ。(総合格闘家)

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