【柔道】〝絶対王者〟大野将平の覚悟「古き良き日本柔道を」

大野将平

柔道男子73キロ級リオデジャネイロ五輪金メダルの大野将平(29=旭化成)が6日、東京五輪日本選手団の壮行会後、オンライン取材に応じ「最高のパフォーマンスを出す」と不退転の覚悟を示した。

東京五輪の開幕まで残り3週間を切った。世界から厳しいマークを受ける立場だが「多くの方の尽力があって東京五輪が開催される。現在はNTC(味の素ナショナルトレーニングセンター)で合宿をしている。ケガのないように最後までしっかり追い込んで準備をしていきたい」とあくまで冷静沈着だ。

柔道が五輪競技に正式採用されたのは、1964年東京五輪から。「2回目の自国開催の大会が開催されるので、古き良き日本柔道を思い出せるような柔道を(本番会場の)日本武道館の畳の上で体現したい。改めてだが、柔道の創始者である嘉納治五郎先生は開催はされなかったが、1940年の最初の東京五輪を招致された。柔道と五輪の関係は非常に深いものを感じる。運命的なものを感じながら戦いたい」と神妙に語った。

周囲からは連覇を期待する声が目立つものの「こうやって言葉にする以上に連覇は難しいこと。勝ち続けるほど勝負は簡単ではないと感じる立場になった。自分自身の弱点を見つめ続けることを試合の直前までやるしかない。日本武道館で試合をするのは非常に好き。2回目の東京五輪を前回と同じ日本武道館で戦えることを誇りに感じて、自分の柔道を発揮したい」と意気込んだ大野。〝絶対王者〟に浮き足立つ様子は一切見られない。

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