【ソフトボール】若き左腕・後藤希友伝説 打撃も投球も超一流「常にすごいから特にすごいことがない」

驚異のパフォーマンスで、一躍注目の存在となった後藤希友(ロイター)

若き左腕の伝説とは――。東京五輪のソフトボール決勝(27日、横浜スタジアム)が行われ、日本が米国に2―0で勝利し、2008年北京五輪以来、3大会ぶりの金メダルを獲得。エース・上野由岐子投手(ビックカメラ高崎)の活躍が目立った一方で、後藤希友投手(20=トヨタ自動車)も好リリーフで何度をチームを救ってきた。

22日のメキシコ戦(福島県営あづま球場)と25日のカナダ戦(横浜スタジアム)では、いずれもパーフェクトリリーフで流れを呼び込み、チームのサヨナラ勝ちを演出。1次リーグでは4試合を投げ、21奪三振。3勝をマークした。この日も6回無死一塁から登板し、無失点に抑えた。試合後には「今までの4試合とは違う空気を感じた。自分自身が興奮し過ぎていてひやひやした。一生に一度しかない東京で開催される五輪で最高な気分を味わうことができた」と笑みを浮かべた。

宇津木麗華監督が「昔の上野に見えてきた」と言わしめるほどの投球を今大会で見せた後藤は、高校時代から数々の伝説を残してきた。エースで4番を務めていたこともあり、打撃センスも抜群。高校時代を知る関係者は「めっちゃ奥まで飛ばして窓ガラスを割っていた」と笑う。また、高校生のボールは大学・社会人選手が使用する表面が皮のボールではなく、表面がゴムのボールを使用しているのにもかかわらず、バットにヒビを入れたこともあったという。同関係者は「常にすごいから特にすごいことがないくらい。すべてができてしまう」と苦笑いを浮かべるほどだ。

まさに超人的な選手。かつて「上野さんのような素晴らしい方に一歩でも近づけるように」と語っていた将来性豊かなサウスポーの今後が楽しみだ。

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