「雪辱果たした」 延岡市民が永瀬選手祝福

 「雪辱を果たした」「集中力切らさず、さすが」。東京五輪柔道男子81キロ級で永瀬貴規選手(27)が金メダルを獲得した27日、所属する旭化成柔道部の本拠地・延岡市では市民が快挙をたたえた。2016年のリオデジャネイロ五輪の銅メダルを超える結果に、祝福の声が相次いだ。
 1996年のアトランタ五輪男子65キロ級で銀メダルを獲得した、旭化成延岡支社総務広報グループ課長の中村行成(ゆきまさ)さん(48)は「見事に5年前の雪辱を果たした」と感動を口にした。膝の大けがにも闘志を失わずどん底からはい上がり、たどりついた頂点。「気持ちで勝ち取った金メダル。5年間鍛えてきたすべてを出し切った」と賛辞を贈る。
 旭化成柔道部出身者らが指導する延岡少年柔道クラブの工藤菜子さん(11)=東海東小6年=も「最後の最後まで決して諦めずに戦い続けた」と感激。ランキング上位の選手にも一歩も引かない姿に刺激を受けた。来月に堺市で開かれる小学生の全国大会に向け「私も絶対に優勝したい」と決意を新たにした。
 「心からうれしい。前回の悔しさが晴れたのでは」と話すのは、永瀬選手が訪れる同市新町の「やき肉大仙」の甲斐寛希代表(37)。ノーシードから栄冠をつかんだことに「体力的にも精神的にも削られる中、集中力を切らさなかった。さすがとしか言いようがない」と興奮気味に語った。

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