マリナーズが2対2のトレードでグレイブマンをアストロズへ放出

日本時間7月28日、マリナーズはケンドール・グレイブマンとラファエル・モンテロの両リリーフ右腕をアストロズへ放出して内野手のエイブラハム・トロとリリーフ右腕のジョー・スミスを獲得する2対2のトレードが成立したことを発表した。クローザーのグレイブマンを放出したマリナーズだが、3日後に迫るトレード・デッドラインまでに複数のトレードを敢行することが予想されており、決して「売り手」に回ったわけではない。ジェリー・ディポートGMの今後の動きが注目される。

昨日から直接対決3連戦がスタートした同地区2チームのあいだでトレードが成立した。ポストシーズン進出を目指すチームが同地区のライバルにクローザーを放出するのは珍しいケースと言える。しかし、マリナーズは先日DFAとしたモンテロもセットで放出し、4年半保有できるトロと、ブルペンの穴埋めとしてスミスを獲得。グレイブマンの価値を最大限に活用して「戦力外の選手(=モンテロ)の処理」と「長期間保有できる選手(=トロ)の獲得」を同時に実現したトレードということになる。

現在30歳のグレイブマンは、今季ここまで30試合に登板して33イニングを投げ、4勝0敗10セーブ、4ホールド、防御率0.82、34奪三振の好成績をマーク。マリナーズとは1年契約を結んでいたため、今季終了後にFAとなる。アストロズはクローザーのライアン・プレスリーにつなぐ中継ぎ投手が弱点となっており、新天地ではセットアッパーを務めることになりそうだ。

現在30歳のモンテロは、今季ここまで40試合に登板して43回1/3を投げ、5勝3敗7セーブ、4ホールド、防御率7.27、37奪三振を記録。クローザーとして期待されて加入したものの、期待を裏切る成績に終わり、日本時間7月24日にDFAとなった。FAになるのは2022年シーズン終了後であり、アストロズは1年半保有することができる。

現在24歳のトロは、今季35試合に出場して打率.211、6本塁打、20打点、3盗塁、OPS.672を記録。マイナーAAA級では17試合に出場して打率.352、2本塁打、11打点、2盗塁、OPS1.078という素晴らしい成績を残している。4年半保有できる点は大きな魅力であり、ベンチの層に厚みを加えることになるだろう。

現在37歳のスミスは、今季27試合に登板して21回2/3を投げ、1勝1敗0セーブ、1ホールド、防御率7.48、17奪三振を記録。今季は不振だが、メジャー通算809試合に登板して211ホールド、防御率3.11の実績を誇る。今季終了後にFAとなるが、今季の残り期間はグレイブマンとモンテロの両右腕を放出したブルペンの穴埋め役を担う。

© MLB Advanced Media, LP.