ハーバード大の異端天文学者が「ガリレオ・プロジェクト」発表 オウムアムア=宇宙船をAIで立証

夜空には無数の天体がある

ハーバード大学の天文学者アヴィ・ローブ教授率いる国際的な研究者グループが、人工知能(AI)を利用して「地球外文明(ETC)」が存在する証拠を特定する「ガリレオ・プロジェクト」を発表した。複数の欧米メディアが27日までに報じている。わくわくするプロジェクトの内容はいったいどんなものだろうか。

ローブ教授は以前、恒星間天体「オウムアムア」(太陽系外から飛来した全長約400メートル、幅約40メートルの葉巻形の天体。2017年に発見され、18年に太陽系外を出た)について「エイリアンの宇宙船である」と主張し、天文学界で異端視されている。

そこでETCの証拠を探すプロジェクトを「ガリレオ」と名付けた。16~17世紀のイタリアの天文学者ガリレオ・ガリレイは、天動説が主流の時代に地動説を主張し、異端者扱いされた。その境遇を重ね合わせているのだろうか。

同プロジェクトは、異星人が発する電波を調べる既存の民間研究「地球外知的生命探査(SETI)」を補完するものだという。AIを利用して、天文調査と高解像度望遠鏡からのデータを調べ、エイリアンクラフト(エイリアンの乗り物など)や地球製ではない人工衛星などを見つけ出し、ETCの存在を証明するとしている。先月、米情報機関を統括する国家情報長官室が144件もの未確認空中現象(UAP)に関する報告書を公表し、「分析しても正体が分からない事例が143件あった」と認めたが、これも分析するそうだ。

英デーリー・メール紙の取材に、ローブ教授は「報告書の公表後、科学界は地球外のテクノロジーの証拠を探さねばならないという空気になっています。地球外の技術の発見が私たちの世界に与える影響は計り知れません。続々と発見される太陽系外のハビタブルゾーン(恒星との距離が適切で、水があり、生命存在の可能性がある領域)にある惑星を考えると、ETCの可能性を否定できるわけがありません。2023年までにETCを発見できると思います」と話している。

確かにこの太陽系に地球という知的生命体が存在する惑星がある。太陽系を含む「天の川銀河(銀河系)」には2000億個の恒星があるとされる。さらに宇宙には「天の川銀河」以外にも「アンドロメダ銀河」「車輪銀河」「おたまじゃくし銀河」「葉巻銀河」など、2兆個もの銀河があると推定されている。そして、別の天文学者は「恒星の2つに1つがハビタブルゾーンに惑星を持っているかもしれない」と指摘。どこかの惑星に地球外知的生命体が存在するかもしれないが、地球に到達できる技術があるのかどうかが焦点なのかもしれない。

また、ローブ教授はオウムアムアについて「自然の摂理に反する動きをしています。非常に薄いライトセイル(恒星から発せられる光を反射し水力に変える装置)を装備した地球外の物体です」と改めて、“宇宙船説”を強調した。

夢のあるプロジェクトについて、UFO研究家の竹本良氏はこう語る。

「ガリレオ計画に大いに賛成です。UFOや宇宙人の問題に関して、どうもこれまで素人の政治家や軍人が関与し過ぎたきらいがあるからです。純粋に科学者が率先してやってもらいたい。とはいえ、科学研究には膨大な資金が必要なため、これまでは政治家や軍人の力を借りざるを得なかった。でも、この計画は民間資金で集めようとしており、確かに独立で資金確保できれば、タイムリーな科学研究になるはずです」

異端者が世界を変えるのか…。

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