東京五輪の野球オープニングラウンド初戦となった28日のドミニカ共和国戦(福島)で、坂本勇人内野手(32=巨人)が劇的なサヨナラ打を放った。
3―3の同点に追いつき、なおも9回一死満塁のチャンスで、逆らわずにはじき返した打球が相手中堅手の頭上を越えると、坂本は力強く右の拳を握り締めた。2点ビハインドの展開から5安打を集中させ、一気のサヨナラ勝ち。殊勲打の坂本は「ピッチャーはずっと頑張ってくれていた。最後、ああいう形でつないでつないでいい場面で(打席が)回ってきたので。何とかサードランナーを還したいという気持ちだけで打席に立っていたので、本当にみんなでもぎ取った勝利だと思います」と胸をなで下ろした。
両先発による息詰まる投手戦が繰り広げられ、打線はメルセデス(巨人)の前に6回までわずか1安打。坂本自身「試合序盤はすごい重い雰囲気で試合が進んでいるなと僕もプレーしながら思っていた」と明かしたが、侍戦士たちが下を向くことはなかったという。
「ベンチではみんな声を出してくれていましたし、最後ああいう形で最高の形でみんながつないでくれて、いい結果になってまずは勝って良かったなと思います」
まだスタートを切ったばかりだが、さまざまな重圧がかかる中、劣勢をハネ返した意味は大きい。悲願の金メダル奪取へ、背番号6のひと振りが侍ジャパンに勢いをもたらした。