【柔道】金メダルの新井千鶴 5年前との違いは「積み上げてきたもの」 

金メダルを手に笑顔の新井千鶴

東京五輪の柔道競技5日目(28日、日本武道館)、女子70キロ級決勝で金メダルを獲得した新井千鶴(27=三井住友海上)が自らの〝変化〟を口にした。

前回リオ五輪では、代表選考会となった同年4月の全日本選抜体重別選手権で田知本遥に敗戦。本番では田知本が金メダルに輝いた。

悔しさを味わったからこそ、とことん勝負にこだわった。決勝のミヒャエラ・ポレレス(オーストリア)戦は小内刈りで技ありを奪ったが「一本を取りにいこうという気持ちだった。悔いを残してこの大会を終わらないように攻めきろうと思いました」と攻撃的な姿勢を貫いた。

リオ後は2017年、18年の世界選手権で優勝。しかし、19年同大会ではまさかの3回戦敗退に終わった。壁を乗り越えても、再び現れる壁に「何度もくじけそうになった」というが「自分の信念をぶらさずに、ここまでやってきた」と決して諦めることはなかった。

「リオまでの自分はがむしゃらにやっていた。リオを逃してそこからもう一度日本でチャンピオンになって、代表に返り咲いて世界選手権の切符をとって、一年一年2連覇の経験をして積み上げてきた。積み上げてきたものが(5年前と)違う」

一回りも二回りも進化を遂げた新井。ついに夢を現実のものにした。

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