小川直也氏 新女王・素根輝を称賛「彼女の柔道はある意味、最先端のところにいる」

決勝でオルティス(右)を「完封」した素根

東京五輪の柔道競技7日目となった30日、素根輝(21=パーク24)が女子78キロ超級で悲願の金メダルを獲得。一方で男子100キロ超級では、原沢久喜(29=百五銀行)が5位に無念の終わった。本紙解説を務めるバルセロナ五輪男子95キロ超級銀メダルの〝元暴走王〟小川直也氏(53)は、男女で〝明暗〟が分かれた最重量級の戦いをどう見たのか――。

【小川直也 暴走レッドゾーン】素根さんはよく、オルティス相手に勝ち切ったね。ロンドン五輪金メダリストを決勝で破ったんだからお見事。女王を逆転して新女王になった。世代交代に成功したね。

彼女の柔道のスタイルって、今の世界の重量級では一番勝てるし、国際大会でも必ず上位にきている。彼女はスタミナが群を抜いているんで、そこが他の選手と差をつけているね。

あとは左手でしっかり組み手を持って大内刈りにいくパターンが技術的に優れているし、彼女の長所。重量級では小柄だとか言われるけれど、素根さんの柔道はある意味、最先端のところにいるんだよな。

それと、素根さんは3月に亡くなった(古賀)稔彦が総監督をしていた環太平洋大にいたんだよな。今はその稔彦の弟分だった吉田(秀彦・パーク24総)監督のところの所属だし、きっと稔彦も天国で喜んでいるだろうね。

原沢君はうーん、リネールとか、世界との差が縮まっていなかったね。ちょっと、調子を落としていたのかな。まあ、会社を辞めて、環境を変えて、退路を断って、この五輪に臨んだ。人生を変える選択をして頑張っていただけに残念。でも、これで終わりじゃない。まだまだ続けて頑張っていってほしいね。

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