自販機の設置や無人餃子店舗の開店など、新潟県内で非対面販売に向けた取り組みが加速

(写真左)無人の農作物直売所、(写真右)「7」が4つ揃うと1本当たる自販機

飲料、タバコ、農作物−−。日本国内には様々なものが自動販売機で売られているほか、“ガチャガチャ”も数多く設置されている。また、自販機に「もう一本あたるスロット」が搭載されていたり、自販機を企業や店のPRにつながるデザインにしたりと販売以外にも様々な付加価値を自販機に付与している。

また、株式会社ブルボン(新潟県柏崎市)が、1997年に(災害時の緊急食糧にもなる)自動販売機事業を1997年に開始し、自社商品の菓子のほか、パンやインスタントラーメンといった仕入れ商品などを取り扱っている。

“自販機大国ニッポン”は、ある意味、非対面販売が昔から盛んともいえるが、昨今のコロナ禍もあって、新潟県内では自販機などを新たに設置したり、無人の餃子店舗を開店したりと非対面販売に向けた取り組みが加速しているようだ。

自動販売機

戦国の乙女が、若武者の門出に贈った出陣餅に想いを注ぎ…。和菓子店「かなざわ総本舗」を展開する株式会社かなざわ総本舗(新潟県上越市)のテレビコマーシャル(CM)は、多くの新潟県民には馴染みのあるCMだ。そのかなざわ総本舗が、同社を代表する和菓子「出陣餅」を箱入りで販売する和菓子用の自動販売機を県内で初めて設置した(上の動画と下の写真)。ギフト用の自動販売機は全国的にも珍しいという。

同社の金澤一輝代表取締役社長によると、同社稲田本店の営業時間は午前9時30分から午後5時30分までで、特に朝早く旅行などに出かける人たちからのニーズが以前からあり、自動販売機の導入は人件費の削減や人手不足などの観点から3、4年前から検討していた。

こうした中、新型コロナウイルスの感染拡大で非接触販売がクローズアップされたこともあり、今年3月頃に取引業者から勧められ、「上越市中小企業者チャレンジ応援事業補助金」を活用して導入し、このほど設置した。

今後は同社の他の商品の取り扱いや、駅など他の場所への設置も視野に入れている。

「らーめん処がんこ屋」を経営する有限会社がんこ屋(新潟市西区)は今年7月27日、らーめんや餃子などが24時間購入できる冷凍自動販売機を設置し販売を開始した。

非対面販売が推奨される中、新潟県の新事業チャレンジ補助金を使って設置したという。

【関連サイト】
新潟県「【第2回募集開始】新型コロナウイルスの影響を受ける県内中小企業等の前向きなチャレンジを支援します」

かなざわ総本舗が設置した出陣餅の自販機

らーめん処がんこ屋(上写真)と、らーめんや餃子などが24時間購入できる冷凍自販機(下写真)

餃子の無人店舗

餃子の無人店舗も相次いで登場していて、株式会社だるまや(新潟市江南区)でも餃子の無人販売店舗「餃子もだるまや」を相次いでオープンしている。

「餃子もだるまや」では、同社のラーメン店で提供されている餃子を冷凍餃子として販売。冷凍餃子の価格は、30粒(個)入りの1袋が1,000円。24時間営業であるが、定期的に職員が商品を補充しに訪れる際以外は無人であり、来店者は各自棚から餃子を取り、だるま型の容器に料金を投入して購入するシステムだ。

【関連記事】
株式会社だるまや(新潟市江南区)が新潟市西区真砂に餃子の無人販売店をオープン(2021年4月26日)

ガチャ

ガチャガチャを使った動きも相次いでいる。

宇和海真珠株式会社(愛媛県)が展開する「あこや真珠ガチャ®」が、新潟市中央区の人情横丁「boomarieハンドメイドつまみ細工」へ今年2月に設置された。「あこや真珠ガチャ」は1回1,000円(500円玉2枚)で、あこや真珠をあしらったアクセサリーが当たる。

宇和海真珠は愛媛県の特産品であるあこや真珠のPRや、近年発生しているあこや稚貝の大量死などで沈んでいる真珠産地を活性化するため「あこや真珠ガチャ®」を開発。2019年11月より宇和島市道の駅「きさいや広場」にて設置開始し、現在は全国50箇所以上に設置している。今回は新潟県への初めての設置となったという。

なお「あこや真珠ガチャ®」で当たる一部のアイテムは、就労継続支援事業所との連携で生産されているなど、愛媛県が推進している産業福祉連携事業への協力も特徴だ。

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新潟市中央区の人情横丁に日本製真珠を使ったアクセサリーが当たる「あこや真珠ガチャ®」が登場(2021年2月10日)

新潟ろうきん東新潟支店が3月1日に県内福祉施設の手作り雑貨を販売するカプセルトイ「ガチャリティポン!」を支店内に設置(2021年2月26日)

人情横丁に設置された「あこや真珠ガチャ®」

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