さようなら 宇都宮グランドホテル 67年の歴史に幕

7月末で閉館した宇都宮グランドホテル=31日午後、宇都宮市西原町

 国内外の要人が訪れた名門ホテルとして知られる宇都宮グランドホテル(栃木県宇都宮市西原町、中村太三郎(なかむらたさぶろう)社長)は31日、閉館した。コロナ禍に伴う経営不振で、前身から続いた67年の歴史に幕を閉じた。

 同社は1954年、陽南荘として設立された。71年には同ホテルがオープンし、昭和天皇をはじめとする皇族方や、マーガレット・サッチャー元英首相らも訪れた。

 同社によると、近年は、少子化など取り巻く経営環境は厳しく、主力の婚礼部門などで苦戦した。2016年には、負債処理のため、土地と建物を不動産業の丸井物産(宇都宮市)に売却し、経営再建に取り組んだ。テークアウト需要を狙った弁当販売や、人員整理など収支の改善を目指したが、コロナ禍に伴い婚礼や宴席は振るわず、営業継続を断念した。

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