広島原爆の「火」を学校に 戦争の悲しみをみんなで考えたい 佐世保・九文高の井本さん

採火へ取り組み

© 株式会社長崎新聞社

「平和の火」の採火に取り組む井本さん=佐世保市、九州文化学園高

 九州文化学園高(長崎県佐世保市椎木町)3年の井本志帆さん(17)が、福岡県八女市星野村にある平和の塔で燃え続ける広島原爆の火を採火し、8月7日の同校平和学習で披露しようと取り組んでいる。井本さんは「原爆が現実のものであったことや、戦争の苦しみや悲しみは今でも続いているということを、全校のみんなに知ってもらいたい」と話している。
 井本さんは1年生の頃から弁論活動に取り組んでおり、これまで数々の弁論大会で最優秀賞に輝いている。「弁論の甲子園」と呼ばれる、昨年12月の「福澤諭吉記念第59回全国高等学校弁論大会」でも平和をテーマに弁論し本県初の最優秀賞を受賞した。
 同大会の原稿を書くため調べ物をしていて、平和の塔にともされている「平和の火」を見つけた。名称から、井本さんは平和への思いを託してともした火だと思っていたが、広島原爆の残り火を懐炉に移して星野村に持ち帰った男性にとっては、親戚の命を奪った「恨みの火」だということを知った。
 井本さんは「戦争の苦しみ、悲しみは今でも続いている」と感じ、「遠い昔のことで私には関係がないと思っていた自分を恥ずかしく思った」という。
 弁論大会後も、自分なりに平和活動ができないか-、そう考えていたとき「平和の火」を採火できることを思い出した。「高校の平和学習で実際にみんなに見てもらいたい」。井本さんは今年4月から採火に向け動きだした。
 八女市役所への手続きや担当者とのやりとりも、教員に手伝ってもらいながら自分で取り組み、今月中旬に使用許可を受けた。こうしたやりとりをする中で、八女市から8月6日に星野村で行われる平和祈念式典に招かれ、弁論を披露することになった。式典で星野村を訪れた際に採火してくるつもりだ。
 「今回の活動を通して知ることの重要性を学んだ。知ることと行動することは同じなのだと思った」と話す井本さん。式典に向けた弁論の練習や採火の準備に奔走している。