砂と廃材のアート展示 上越市立水族博物館「うみがたり」 来館者の注目集める 

 上越市立水族博物館「うみがたり」(同市五智2)は9月26日まで、「なおえつ うみまちアート」に合わせた現代アートイベント「ART OF REBORN」を行っている。海をテーマにしたサンドアートと廃材アートが来館者を楽しませている。

 サンドブラストは同館前の屋外に設置している。制作したのは世界大会で優勝経験のある彫刻家の保坂俊彦さん(47)。秋田県出身で4月から宮城県東松島市に移住、地域おこし協力隊としてサンドブラストで震災復興に取り組んでいる。

完成したサンドアートと保坂さん

 作品は直江津海岸の砂にマゼランペンギンやイルカ、アザラシなど同館の生き物20種類30点を彫った高さ2・5メートル、幅2メートルの「うみのかたりべ」。保坂さんは「地元の砂で造形ができることを知ってもらい、うみがたりの生き物を楽しんでほしい」と話した。作品の隣には自由に楽しめる砂場が設けられている。

 館内2カ所に展示されている廃材アートは、村上市出身で現在長岡市栃尾地域の地域おこし協力隊として活動する加治聖哉さん(25)が制作した。現在栃尾で行われている「廃材水族館」とコラボし、同展で展示されている作品を借りて出展している。

 目を引くのは3年前に制作した全長3・5メートルの「芭蕉旗魚(バショウカジキ)」。廃材の木と金属を使い、実物大で作り上げた。

バショウカジキと加治さん

 他にもイワシやタツノオトシゴなどを出展、マゼランペンギンは同館の展示用に制作した。加治さんは「水族博物館にいないカジキのサイズや細部を知ってほしい。また廃材の可能性に気付くきっかけになれば」と話した。

 櫻健太郎館長は「うみまちアートの話を聞き、乗らない手はないと思って計画した。水族博物館の生き物と芸術を見事にマッチさせた作品を作ってもらった」と話した。

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