〝邪道の必殺技を最も食らった男〟プロレスラー保坂秀樹さん死去

保坂秀樹さん

邪道・大仁田厚のタッグパートナーを務めてきたプロレスラー、保坂秀樹さんが2日午前3時32分、がんのため死去した。49歳だった。

保坂さんは2019年夏に体調を崩し、同年9月から入院。精密検査の結果、大腸がんで肝臓にも転移していることがわかり、手術を受けて治療に専念していた。1日まで意識はあったが、容体が急変したという。

新潟・糸魚川出身の保坂さんは1991年8月にW★INGでデビューし、PWCを経て大仁田率いるFMWに参戦。〝極悪大魔王〟ミスター・ポーゴ(故人)のポーゴ軍の一員として、大仁田らFMW軍と連日、デスマッチで死闘を繰り広げた。

保坂さんは大仁田の必殺技「サンダーファイヤーパワーボム」を食らい続けたことでも知られており、頭部にダメージが蓄積されたため、病院通いを余儀なくされたほどだった。

FMWを退団後は全日本プロレス、ゼロワンなどでファイト。12年からは、リングで敵対していた大仁田のパートナーとして活躍。FMW認定世界ストリート6人タッグ王座も獲得した。19年8月18日の大日本プロレス大阪・すみのえ大会が最後のファイトとなった。

大仁田は「俺より先に逝きやがってバカヤロー! 保坂選手は本当にいいパートナーだった。闘病生活をしていて、たまに電話で話していた。1か月ほど前に入院して手術を受けたと聞いたけど、それから連絡はなかった」と悲痛なコメントを発表した。

保坂さんは気さくな人柄で知られ、試合前でも気軽に報道陣に話しかけるなど、関係者からの好感度も高かった。リング上での過激なデスマッチファイターの「顔」とは対照的に、礼儀正しく明るいキャラクター。プロレス界はインディの名バイプレーヤーを失い、悲しみに包まれている。

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