【横浜市長選】首相カミングアウトに永田町騒然 「つまずけば政局」の声

菅義偉首相(資料写真)

 任期満了に伴う横浜市長選(8日告示、22日投開票)を巡り、日本政治の中枢の永田町がにわかに騒然となってきた。菅義偉首相(衆院神奈川2区)のお膝元での戦い。過去最多の9人が出馬を表明する中、首相が前国家公安委員長で元衆院議員・小此木八郎氏の支援を鮮明にしたからだ。

 突然のカミングアウトに「首相がこの選挙でつまずけば政局になる」(自民幹部)との声が与野党双方から上がる。市長選の結果は一地方選にとどまらない波紋を政界へ広げそうだ。

 「これが噂の対談か」。7月29日発行のタウン誌「タウンニュース」の実物やコピーが週明け8月2日の国会や霞が関に出回った。首相は意見広告として掲載された小此木氏との対談で「全面的かつ全力で応援します」などと同氏支持を初公言。自民党横浜市連が自主投票を決めた中で、党総裁でもある首相が「衆院議員」の立場ながら態度を明かすのは異例だ。

 現職の林文子市長が4選出馬を表明し自民市議の一部が支援に回る。与党分裂選挙の様相だ。そこへ立憲民主党が推薦し共産党が支援する元横浜市立大教授・山中竹春氏、参院議員で前神奈川県知事・松沢成文氏、元長野県知事で作家・田中康夫氏らが組織力や知名度をバックに名乗りを挙げている。

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