東京五輪・陸上男子走り幅跳び決勝（２日、国立競技場）、橋岡優輝（２２＝富士通）が８メートル１０の６位で１９８４年ロサンゼルス五輪の臼井淳一以来、３７年ぶりの入賞を果たした。両親ともに元日本記録保持者という陸上界のサラブレッドはネット上で〝イケメン競技者〟として話題になっている。初の大舞台で表彰台の頂点に立つことはかなわなかったが、五輪代表の「いとこ」の大きな発奮材料にもなった。
不可能な〝距離〟ではなかった。橋岡は２回目に７メートル９５、３回目には７メートル９７を跳んで上位８人に残ると、最終６回目で８メートル１０をマーク。入賞にもメダルを逃し「悔しいです」と切り出すと、予選から中１日で決勝を迎え「８メートルを超えるのに６本目までかかってしまった。タフな試合をこなしていない、経験不足なところがあったのかな」と振り返った。
６月の代表選考会を兼ねた日本選手権では８メートル３６で自己ベストを更新。今大会は３位の成績が８メートル２１だっただけに「結果の（電光）掲示板を見たときに今回確実にメダルを狙えたなと…」と、チャンスを生かすことができず唇をかんだ。
父の利行さんは棒高跳び、母の直美さんは１００メートル障害と三段跳びで元日本記録保持者という陸上界のサラブレッド。世界に通用する実力はもちろんのこと、ネット上では俳優の横浜流星、「Ｋｉｓ―Ｍｙ―Ｆｔ２」の藤ヶ谷太輔に似ていると話題で、イケメン競技者としても注目を集めている。
そんな橋岡と〝共闘〟を誓ってきたのが、いとこで五輪サッカー日本代表のＤＦ橋岡大樹（２２＝シントトロイデン）だ。橋岡大はかねて意識する存在に挙げており「種目は違えどあっち（橋岡）が良い結果を残してこっちが全然だめだったら悔しい。そういう悔しいことにならないように、今できることを頑張ろうと思える」と話していた。
その一方、こう口にしたこともある。「もちろん、優輝も金メダルを取れたらと思っているけど陸上は相当難しいみたいで…。前に話したときは、まずは入賞と言っていた」。当の本人は表彰台を狙いつつ、予告していた通りの結果を収めたわけだ。
橋岡大の「僕たちは団体として金メダルを取って、最後にいとこ同士で笑って写真を撮りたい」という目標はかなわなかったが、サッカー日本代表は３日に準決勝で強豪スペインとの一戦に臨む。「いとこ」の活躍は、今後もサッカー選手として大きな発奮材料になるはずだ。
橋岡自身も「３年後、金メダルを獲得する目標を実現させるだけの力をつけていこうと。今、一段と強い思いです」と力を込める。２０２４年パリ五輪は表彰台の頂点に立つ。
