【体操】村上茉愛 いつもと “立場逆転” でツッコミ「お母さんのほうが興奮してるじゃん!」

メダル獲得に感極まった村上だが…

東京五輪の体操女子種目別床運動決勝(2日、有明体操競技場)で、村上茉愛(24=日体クラブ)が14・166点をマークして銅メダルを獲得。体操女子では1964年東京大会の団体(銅)以来の表彰台で、個人では日本女子初の快挙となった。

村上を陰で支えてきた母・英子さんは朝からソワソワし、生きた心地がしなかった。この日は仕事をすべてキャンセル。試合の2時間前には「メダルを取るという小さい時からの夢が近づいて。本当にいろんなことがあったから…」と取材中に初めて涙を見せた。

不安に押し潰されそうになりながら娘の演技を見守り「完璧です。あれ以上は出せません」と満点評価。試合後、いつもはLINEで連絡が来るが、この日は電話がかかってきた。

英子さんは「茉愛ちゃん、ホントにいい演技だったよ。おめでとう…」と感極まると、村上は「ちょっと落ち着いてよ。お母さんのほうが興奮してるじゃん!」と笑った。これまで感情的になった娘を何度もなだめてきたが、初めて立場が逆転した。

1996年アトランタ五輪閉会式(8月4日)の翌日に生まれた村上は5日で25歳。「五輪で産んで、ずっと五輪と言い続け、25年後にメダルを取った。なんかドラマチックですね」。英子さんは今、メダリストになった娘に再会することが待ち遠しくて仕方ない。

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