【東京五輪】ボクシング田中亮明がメダル確定「酸欠で死ぬかと思った(笑)」

左のパンチを決める田中亮明

東京五輪のボクシングの男子フライ級準々決勝で田中亮明(27=岐阜・中京高教)がユベルヘンエルネイ・マルティネスリバス(コロンビア)に判定で勝利し、準決勝進出。3位決定戦がないため、メダルが確定した。

判定勝ちが決まると、田中はリングにガクっとヒザをついた。車いすで医務室に運ばれ、予定されていたミックスゾーン(取材エリア)に姿を見せない。周囲が心配する中、約30分後に現れると「全然、問題ないです!」といつも通りひょうひょうとした表情。「相手は気持ちが強かったっすね」と言いつつも「僕はもっと気持ちが強いので」とお決まりのビッグマウスも飛び出した。勝利の瞬間について「ホントは叫んでやろうと思っていましたが…。酸欠で死ぬかと思った(笑い)。心臓が破裂しそうだった」と苦笑した。

五輪出場が決まると「元世界3階級制覇王者・田中恒成の兄」として注目された。その状況は本人も重々承知だ。「ボクシング界では目立った存在ではなく、弟の〝七光り〟として出させてもらった」。そう謙遜したかと思うと「本番に強いのは自分が一番、知っていた。全部、食ってやろうと思って毎回、戦っています」と言い切った。

銅メダルが確定し、金メダルまであと2勝。しかし、田中は「ウソみたいに聞えるかもしれませんが、本当にメダルは気にしていない。どれだけ自分がカッコいい試合をできるか」と目立つことしか頭にない。

「次は倒しますよ!」

残り2戦、メダルの色以上に〝魂の試合〟に注目したい。

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