37年ぶり個人2冠! “負けず嫌い”の橋本大輝が「負けたい」と強く願っていたこと

金メダルを誇らしげに掲げた橋本

体操男子種目別鉄棒決勝(3日、有明体操競技場)で新エース・橋本大輝(19=順大)が15・066点のハイスコアで優勝。団体の銀、個人総合の金に続く3つ目のメダルを獲得し、37年ぶりの「個人2冠」を達成した。

橋本は6歳で体操を始め、千葉・香取市の「佐原ジュニア体操クラブ」に通った。少年期を知る人は口をそろえて「負けず嫌い」という。本人も「私生活とか勉強は適度にやり、その力を体操に注いでいました。体操をやるとスイッチが入るんです」と自己分析する。

そんな橋本が他人に負けてもいいと思っていたことがある。いや厳密には「負けたい」と強く願っていたこと。それが「背比べ」だ。現在、体操選手としては長身になる166センチ。高校後半まで背が伸びていたが「早く止まってほしい」とずっと嘆いていた。

「身長は体操に必要ないし、特に平行棒は足が地面に着きそうできつい」

体操を極めるなら身長は邪魔。そんな信念があった橋本少年はあえて牛乳を飲まず、どうやったら身長が止まるかをひたすら考えていたという。「そんな小学生いないでしょうね」と笑うが、この特殊な執念が「金メダル」に結びついたことは間違いない。

© 株式会社東京スポーツ新聞社